劇場公開日 1988年2月11日

「マーフィ巡査の”マジメにやれ”に痺れます、何十年経っても」ロボコップ(1987) よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0マーフィ巡査の”マジメにやれ”に痺れます、何十年経っても

2019年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

4K版のディレクターズカットでの鑑賞。実際には2Kでの上映でしたがスクリーンでの初鑑賞だったので不問にします。

凶悪犯罪の巣と化した近未来のデトロイト。南署から転属になったマーフィ巡査は男勝りのアン・ルイス巡査とパトロール中にクラレンス率いる強盗グループに遭遇、廃工場に追い詰めたものの反撃に遭い惨殺されてしまう。民営化された市警を運営するオムニ社は実戦配備前に暴走した警察ロボットED-209の代わりにマーフィをサイボーグ化しロボコップとして蘇生させる。着任早々から活躍するロボコップはマーフィとしての記憶は消去されたはずだったがクラレンス達に襲われた時の記憶が悪夢として蘇り・・・というストーリーは全人類がご承知の通り。

いかにもヴァーホーヴェン監督作品だなと思うのは市警のロッカールームが男女兼用であること。これは『スターシップ・トゥルーパーズ』と同じ設定、未来の話なんだから男女平等なんて常識でしょ?ということでしょうがこれを32年前にやるかね?という話。初パトロールでアンを制してマーフィがハンドルを握る時のアンの超イヤそうな顔とか、そんな些細な描写も当時も今も斬新。マーフィ殺害の血も涙もないエゲツなさは今でも鳥肌立つし、コブラ銃を街中で乱射してはしゃぐクラレンス一味のキテレツぶりもヤバい。そして廃工場でのクライマックスで疾走するバンのホイールが外れてカメラの真上をヒュンと飛び越えていくシーンは判っているのに首をすくめてしまう。何十年経とうがビタ一文色褪せない乾いたバイオレンスとギャグには開いた口が塞がらないです。

私の座右の銘はマーフィの名台詞「マジメにやれ」なわけですが、この映画を観るたびに己のぶったるんだ根性にヤキを入れられます。この映画の前ではいつまで経っても舎弟だなと思います。

よね