劇場公開日 2013年6月15日

反撥のレビュー・感想・評価

全10件を表示

3.5【姉に依存して暮らす”男性恐怖症””対人恐怖症の気がある”内気な若き女が、退屈な日常の中、内に秘めていた性への欲望と狂気に蝕まれ、変貌し、狂気の行為を行い、精神が崩壊していく様を描いた作品。】

2023年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

難しい

ー タイトルの「反撥」はキャロルの自らの内気な性格に、キャロル自身の精神が「反撥」していく様を暗喩している。だが、その精神の「反撥」の代償は大きかった・・。-

■ロンドンで姉ヘレンと暮らすキャロル(カトリーヌ・ドヌーヴ)。
 姉が妻子持ちの男マイケルを毎晩連れ込むことに嫌悪感を抱き、同時に男性への恐怖を募らせて、恋人のコリンに対しても接吻するが、嫌そうである。
 ある日、姉がその恋人とイタリア旅行に出発。
 束の間のひとり暮らしを始めたキャロルは、情緒不安定になり、少しずつ精神を崩壊させていく。

◆感想

・内向的なキャロル。姉ヘレンが夜な夜なマイケルを連れ込んでセックスしている喘ぎ声に悩まされながらも、聞き入って居る姿。

・キャロルは男と性を嫌悪しつつ、実は興味があるが内向的なために積極的に行動できない。

・ヘレンがマイケルとイタリア旅行に出かけている間、美容室で仕事に失敗し家に籠るヘレンが狂気を帯びていく様は恐ろしい。
ー 姉が調理途中でほったらかしにしていたウサギの肉が腐敗していっても、ジャガイモの芽がドンドン伸びて行っても、彼女は何もしない。(出来ない)
  元々、自活能力がないのである。-

・男に襲われる妄想は明らかにキャロルの性的欲求不満を示しているし、壁に罅が入るシーンは彼女の精神の崩壊を暗喩している。

・キャロルは様子を見に来たコリンを撲殺し、風呂桶にぶち込み、滞納していた家賃を取りに来た大家を理容ナイフで滅多刺しにする。
ー 姉ヘレンは家賃を置いてからイタリア旅行に出かけたのに、彼女はそれを届けようともしない。ヘレンが対人恐怖症である事も暗喩している。-

<じわじわと、心理的に効いてくるサイコホラー。
 主演のカトリーヌ・ドヌーヴの美しい顔と目が、更に怖さを募らせている作品でもある。>

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NOBU

0.5What is this?

2023年6月30日
PCから投稿

this is 思いっきりエセ芸術映画

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タンバラライ

4.5100年に一度の美女といわれた女優の記念作

2022年7月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

カトリーヌ・ドヌーヴは「昼顔」や「哀しみのトリスターナ」に出演した頃から、エリザベス・テーラーと並び称される世界一の美女として有名になった女優さんですが「反撥」ではまだ初々しい彼女を見ることが出来ます。
モノクロでも分かるような輝くばかりのブロンドで、終始うつむき加減のほっそりした顔と、薄いネグリジェに透けた胸元がとても綺麗で印象的です。
当時の流行だったのかもしれませんが、ほぼドヌーヴの顔にスポットを当てるシーンが続いて、ポランスキー監督は御執心だったのでしょうか?そう言えば何となく「テス」のナスターシャ・キンスキーにも似ていますね。コクのある美しさが素敵です。
話は男性恐怖症の主人公であるドヌーヴが、同居する姉とその恋人の情事の気配に毎夜悩まされる内、次第に精神を病んで行った挙げ句に殺人を犯してしまうというストーリー。
シンバルやドラムのプリミティブな音使いや、壁から飛び出す腕、腐敗してゆくウサギ肉の塊、干からびたジャガイモから延びる芽・・・ダリの抽象画のような世界観でドヌーヴの心理を表しているようなのですが、同じフロアに住む住人の飼う犬が、死体の臭いで吠えないのか?などと突っ込むのはナシです。
謎なシーンもあって、所々に広いリビングやキャビネット等がある瀟洒な屋敷の部屋がカットインされるのは、昔住んでいたブリュッセルの家の中なのかな?
また、ラストに写し出される家族写真でのドヌーヴは、父親と距離を取って冷たい視線を送っているけど、これも何かの暗示なのでしょうか?
そう考えても他に伏線となるような会話も無かったし・・・
もう一度観てみようかなと思います。
やっぱりドヌーヴは大好きだと再確認出来ました!

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ジリオロッソ

4.0ぼろ布のような美女(視覚と嗅覚の魔術)

2022年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1965年(イギリス)監督:脚本:ロマン・ポランスキー
主演のカトリーヌ・ドヌーブ。
この時、22歳になったか?ならないかの若さ。
キャロル(ドヌーブ)は一度も笑わない。
美しいキャロルには、男の視線さえ疎ましい。
男性恐怖症みたいで、その癖、男に襲われる妄想(過去のトラウマなのかは不明)に、
震えておびえる。

おびえたウサギのようなキャロルは、言い寄ってくるコリーが苦手。
見るからにハンサムで好感持てる青年なのに。

キャロルが決定的に壊れていく原因は、
《姉の不在》
多分、キャロルは脅迫神経症だと思うけれど、庇護者である姉が、愛人とイタリアへ旅行に行った。
ひとりで過ごす時間。
妄想が次々と襲って来る。
《視覚の異常》
部屋の壁がひび割れる、
壁から伸びる手、
鍵穴から見える歪んだ視界、
ヤカンに映る歪んだ自分の顔、

《音も不快》
修道院の鐘の音、
蝿の羽音、
電話のベル、
部屋の呼び鈴、

適切な精神科の治療が必要だった・・・そう思う。
カウンセリングと投薬・・・それを受けていればここまで悪化しなかったと思う。
腐って行く「ウサギ肉」
芽が出て、萎れて鄙びて行く「ジャガイモ」
日に日に荒れて行く汚部屋。

ポランスキー監督の描写は容赦がない。
美しい花(キャロル)が、萎れて、腐って、壊れて、汚臭を放つ・・・
精神が崩壊して行く様を最後の最後まで凝視する。

アパートの住民(死にかけたような老人たち)の好奇の視線。
珍しい生き物のようにガン見する老人たち。
瀕死のキャロルを大切そうにお姫様抱っこする姉の恋人。

邦題の「反撥」
命名者の意図は不明だが、とても似合っている。

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琥珀糖

2.0ポランスキー監督の“想い”が感じられなくて…

2021年6月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

正直なところ、
この作品へは理解が及ばなかった。

それは事前に散りばめられた幻想の要素
から、恋人と大家の殺人さえ現実かどうか
判らない鑑賞を強いられたからでもある。
そして、その現実か幻想か判らない彼女の
思考の展開がこの映画の全てあるので、
製作側の論的は解らなくもないが、
観ている方は、異常な展開を見せる彼女に
どう共感すれば良いのか解らなくなった。

潔癖症で内気な妹の思春期における
情緒的不安定の結果としても、
その要素は序盤から既に存在しており、
「ローズマリーの赤ちゃん」のような
“徐々に感”が無く、
なぜ妹は初めから情緒不安定なのかは
観客の想像に委ねられた感じだ。
家族写真にヒントがありそうだが、
ハードルの高い設定ではなかったか。

また、救いの無い結末では
作品そのものへの共感も得られにくく、
「水の中のナイフ」での
倦怠の中でも続く夫婦への、
「ローズマリーの赤ちゃん」での
悪魔の赤ちゃんを生んだとの戦慄さよりも
母親・母性への、等々の
ポランスキー監督の“想い”も
感じることは出来なかった。

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KENZO一級建築士事務所

4.0シュールなサイコホラー

2020年10月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

萌える

姉に対する嫌悪感と、男性には潔癖な対応を取る内気で変わった女性かと思いきや、スローなテンポで進む物語に何も起こらない雰囲気。

ネグリジェ?から薄らと透けて見える裸体、不思議なエロさを垣間見るロマン・ポランスキーの演出描写、妄想?願望?タンクトップへの執着心。

ヒビ割れ滑る壁から無数の手、現実の境界線が分からなくなる世界観。

食用に皮を剥がされた状態のウサギは、デヴィッド・リンチ監督作「イレイザーヘッド」での"スパイク"を、キャロルが犯されるのは「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」で夜毎のようにローラが襲われるシーンを思い出してしまう!?

意味深なラストはオープニングの目と繋がる、スッキリしない終わり方に疑問ばかり残る反面、中盤以降の怒涛な展開が続きながらのスローなテンポにハマってしまう。

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万年 東一

3.5女性の美しさは罪深い

2020年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ポランスキー監督の初期の恐怖映画。北欧映画の様な雰囲気、シュールレアリスム的映像処理と、イギリス映画とは思えないポランスキー独自の映画感覚が確立している。無表情なカトリーヌ・ドヌーヴの役柄が更に恐怖を増幅する。美貌によって隠された異常さを演じるのに、この時期のドヌーヴの無垢な美しさが適していたと納得する。主人公以外の登場人物のリアリティは優れている。好みが分かれるが、ポランスキーの演出力を確認するに十分なサイコホラー。

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Gustav

4.5開放され野望を持った挑戦的閉塞感

2019年11月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

精神の崩壊というものを、臆することなく絵と音で自由に表現しきっていて、見応えが半端ない。

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SH

3.0ドヌーブ

2018年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

キャロルを演じたドヌーブが艶やかで美しい。

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kossy

5.0う、わ、、今までみた中で飛び抜けて怖い

2018年3月6日
iPhoneアプリから投稿

なんてこった 一体全体、、
衝撃
衝撃
衝撃しかない

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cinemagaski