約束の土地

劇場公開日:

解説

19世紀末、ポーランド中部の工業都市ウッジを舞台に野心を持った一人のポーランドの青年の夢とその代償を描く。監督・脚本は「大理石の男」のアンジェイ・ワイダ、原作はヴワデァスラフ・レイモント、撮影はヴィトルド・ソボチンスキ、エドワルド・クウォシンスキ、ヴァツワフ・ディボフスキ、音楽はヴォイチェフ・キラール、美術はタデウシュ・コサレヴィッチ、製作主任はバルバラ・ペツ・シレシツカとヤニーナ・クラッソフスカが各々担当、出演はダニエル・オルブリフスキ、ヴォイツェフ・プショニャック、アンジェイ・セヴェリン、アンナ・ネフレベッカ、タデウシュ・ビフウォシチンスキ、ボジェナ・ディキエル、フランチシェク・ピェチカ、カリーナ・イエドルシック、イェジー・ノヴァクなど。

1975年製作/ポーランド
原題:Ziemia Obiecana
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1981年8月8日

ストーリー

19世紀未、ポーランド。中部の工業都市ウッジは、織維工場のメッカであった。国籍の異なる三人の若者が、協力してポーランド人の工場を作ろうと希望に燃えていた。その三人とは、三世紀にも渡るポーランド士族の末裔カルロ・ボロヴェツキ(ダニエル・オルブリフスキ)、商才のあるユダヤ人モリツ・ヴェルト(ヴォイツェフ・プショニャック)、繊維工場主を父に持つドイツ人マックス・バウム(アンジェイ・セヴェリン)だ。彼らは、旧世代の経営者に変わりウッジを支配するのだ、と誓い合いそれぞれ資金集めを始めた。まず、カロルはドイツ人社長に、モリツはドイツ人工場主に、そしてマックスは父親に金を出させるようはたらきかけた。そのころ、ウッジでは商売に行きづまった資本家たちによる保険金目あての放火が相次ぎ、中には自殺する者もいた。カルロにはアンカ(アンナ・ネフレベッカ)という美しい婚約者がいたが、事業達成までには手段を選ばない彼は、ユダヤ人工場主ツカー(イェジー・ノヴァク)の妻ルツィ(カリーナ・イエドルシック)と密通していた。そしてウッジの劇場で町の有力者たちが集まった夜、彼はルツィから極秘の情報を手に入れた。それは、アメリカからの輸入綿の関税が近々引き上げられるというものだ。三人は、この情報を基に、次の行動に移った。それぞれ資金を調達し、集まった三万ルーブルをもって、モリツがハンブルグヘ綿の買いつけに出かけた。輸入綿の関税が上ったところで、その綿を各工場に売りつけ、三万ルーブルを数倍に増やそうという狙いだった。それは見事に成功し、いよいよ、彼らの工場が建設されることになった。完成した工場のもとで、三人をはじめ、青年たちの共同事業がスタートする。そんな矢先、妻とカルロの関係を知り、さらに息子と思っていた子供がカルロの子供ではという疑いをもったツカーがカルロを訪ね、真相告白を迫った。一度は、それは嘘だというカルロの言葉を信用したツカーだったが、ベルリンに発ったルツィを追って列車に乗ったカルロを目撃した者の密告でツカーの怒りは爆発した。放火常習者に命令し遂にカルロの工場に火をつけさせるツカー。工場は全焼し、保険金を賭ていなかった彼らはそれで無一文になってしまう。その後カルロはアンカと別れ、以前より彼に想いを寄せていた工業界の大物ミュラー(フランチシェク・ピェチカ)の娘マダ(ボジェナ・ディキエル)と結婚しミュラー家を継いだ。それから数年、彼はウッジの実力者となり、モリツとマックスも功者となっていたが、若い頃新世代による変革を志した彼らは、今、旧資本家たちの中でそっくりその跡をついでいた。カルロの工場では、労働者たちのストライキが日に日に強化し、カルロの命令の下、赤旗をにぎったストライキのリーダーが銃殺されるのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第48回 アカデミー賞(1976年)

ノミネート

外国語映画賞  
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