ミスター・ノーボディ(1973)

劇場公開日:

解説

セルジオ・レオーネが原案提供の久々のマカロニ・ウェスタン。製作はクラウディオ・マンシーニ、監督は「怒りの荒野」のトニーノ・ヴァレリー、脚本はエルネスト・ガスタルディ、撮影はジュゼッペ・ルゾリーニ、音楽はエンニオ・モリコーネが各々担当。出演はテレンス・ヒル、ヘンリー・フォンダ、ジャン・マルタン、ピエロ・ルッリ、レオ・ゴードンなど。

1973年製作/イタリア
原題:My Name is Nobody
配給:ユニヴァーサル=CIC
劇場公開日:1975年11月8日

ストーリー

ここはアメリカ南西部の小さな田舎町。初老の早射ちガンマン、ジャック・ボーレガード(H・フォンダ)が、町の小さな電報局に立ち寄る。ニューオリンズからヨーロッパへ向けて出航する船の出発日時を確認するためだ。彼はガンマン稼業から足を洗い、ヨーロッパで残り少ない余生を静かに送る決心をしていた。彼は床屋で待ちぶせていた三人の無頼漢を難なく片づけると、小さな食堂に入り食事を注文した。そこへ金髪の若者(T・ヒル)が入ってきて、何か入ったバスケットを渡した。バスケットの中味は爆弾だった。やがて、ボーレガードは町はずれの墓地に立った。そこには金鉱の利権争いで殺された弟のネバダ・キッドの墓がある。背後に人の気配を感じ、ふり返るとさっきの若者が立っていた。若者は自ら雑魚と名のり、「あんたは俺の英雄さ、あんたの最後をこの眼でみたいのさ。この町の無法者を一人で片づけりゃ引退土産にふさわしい語り草になるぜ」といった。そのとき、凄い地鳴りがした。砂埃をあげて一五〇人のワイルド・バンチの登場だ。ボーレガードが線路の土手に三挺のカービン銃を準備するのを、ノーボディは冷やかに見つめていた。やがて一対一五〇の壮烈な銃撃戦が展開されていった。ボーレガードは正確に狙いを定め、ダイナマイトが入っている敵の鞍を片はしから爆破した。戦いは終わった。ボーレガードとノーボディは盗んだ機関車でニューオリンズに向かう。だがボーレガードが生きている限り、彼を殺してその後釜に坐ろうとする野望に燃えたガンマンが彼を追うだろう。それから逃れる手はただひとつ--ボーレガードが死ぬことだ。ニューオリンズに到着したボーレガードとノーボディは遂に宿命の対決に決着をつけなければならない。二人の拳銃が同時に火を吹く。次の瞬間、地面に崩れおれたのはボーレガードだった。だが、この決闘はボーレガードの伝説に終止符をうつための二人の仕組んだ芝居だった。船のなかで、ボーレガードはノーボディに手紙を書いた。「君はもう雑魚ではない。有名人だ。今に大勢のノーボディが君の命を狙うだろう……」。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0【「マカロニウエスタン」ブームの最後を飾った痛快作。レオーネ作品のパロディを散りばめたコメディタッチの仕上がりで、古き良き西部劇への郷愁も感じさせる作品。】

2024年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

幸せ

■アメリカ南西部の田舎町。かつては西部にその名を轟かせたガンマン、ジャック・ボーレガード(ヘンリー・フォンダ)は殺し合いに嫌気が差し、ヨーロッパで静かに余生を送ろうと考えていた。
 ある日、彼の前に「ノーボディ」と名乗る謎の青年(テレンス・ヒル)が現れ、街の無法者の始末を持ち掛ける。

◆感想

・今作は今まで観て来たマカロニウエスタンの要素を上手く取り入れつつ、何処か飄々としたミスター・ノーボディが、伝説のガンマンの名をキチンと残す仕掛け(決闘で皆の前で殺す振りをする。)をしながらも、彼をヨーロッパに向かう船に乗せる様に計らうシーンであろう。

・コミカル要素も満載だが、それがお笑いに流れる事無く、締める所はキッチリと締める作品構成も良い。

<今作は、ヘンリー・フォンダの独白や、剽軽で飄々としたミスター・ノーボディを演じたテレンス・ヒルの笑顔が爽やかな作品である。>

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NOBU

5.0軽快な口笛とともにあらわれた、若きガンマン

2023年9月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 3件)
かせさん

3.0最後のマカロニ・ウエスタン

2021年1月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2021年1月17日
映画 #ミスター・ノーボディ (1974年)鑑賞

最後のマカロニ・ウエスタンと呼ばれている映画
イギリス、アメリカ、イタリアではマカロニではなくスパゲッティ・ウエスタンと呼ばれているらしい
マカロニ・ウエスタンと名付けたのは #淀川長治 で、スパゲッティでは細すぎるからだとか

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とし

5.0最高!!! きもちのよい映画。

2019年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

萌える

こんないかした映画があったなんて!

ラスト、教訓のようなものも出てきてジ~ンとなるけど、とにかく笑える。
その笑いが、とってもすがすがしい。アイデア満載。
物語も、先を読めぬ展開。ハラハラ、ドキドキ、かっこいいとしびれると(笑)。
緩急のリズムが見事。(映画の学校の解説にあるように、突っ込みどころはたくさんあるけど)

そして映画を盛り上げてくれる音楽。ついこの間やっとアカデミー賞を受賞されたあの方。授賞式でも「この人が初っ?!!!」と驚いていたけど、本当になんでこれまで受賞していないんだ?とこの映画を観て思う。

そして景色。勇壮な景色、底抜けの景色、室内と観ているだけでもワクワクする。

役者も最高!
ヘンリー・フォンダ氏の、最初のころとラストの微妙な違い。
ノ―バディは、どこかひょうきんな。今時のイケメンではないが、観ているうちに愛着を感じてくる。

『ノ―ボディ』このネーミングに込められた意味をあれこれ考えると、心に灯りがともったような温かさに包まれます。

でも、やっぱり、おっかし~いい(笑)映画です。

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とみいじょん
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