劇場公開日 1952年9月16日

「リアリズム西部劇が誕生した瞬間」真昼の決闘 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0リアリズム西部劇が誕生した瞬間

2015年4月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

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正午、復讐の為に町に舞い戻って来る4人の無法者。保安官は町人に協力を要請するが、拒まれる。孤立する中、遂にその時がやって来る…!

スタンリー・クレイマー製作、フレッド・ジンネマン監督、ゲーリー・クーパー主演による1952年の西部劇の名作。

ストーリーはシンプルだが、いわゆる王道西部劇ではない。
この映画で描かれる保安官は助けを求め、保安官バッジを置く。強く頼れるアメリカの男の象徴だった保安官像は脆くも崩れ去った。
町人もこれまで保安官の世話になったろうに平気でそっぽ向く。人間の薄情さを浮き彫りに。
爽快さや娯楽作としての醍醐味には欠ける。
が、劇中の時間と上映時間がリアルタイムで進行。刻一刻と迫るタイムリミット、主人公の焦燥と孤独、1対4の戦いなど一貫した緊迫感が見事。

ジョン・フォード、ハワード・ホークス、ジョン・ウェインら“西部劇の男たち”はこぞって本作を批判したと言う。
製作されたのは赤狩り真っ只中。
どんな政治的意味が込められているか分からないし、当時の背景についても詳しく説明出来ない。
確かなのは、勧善懲悪の西部劇はあくまで映画の中だけと言う事。ひょっとしたら西部の時代、名も無い町で名も無い保安官が映画と同じ道を辿ったかもしれない。
リアリズム西部劇が誕生した瞬間。

近大