劇場公開日 1993年7月24日

「映画が好きで良かったと思える作品」マチネー 土曜の午後はキッスで始まる Natsukiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5映画が好きで良かったと思える作品

2010年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

楽しい

ロバート・ゼメキスやジョー・ジョンストン達と【スピルバーグファミリー】の1人で
『グレムリン』や『インナースペース』などの傑作を残している監督だが
あえてB級映画魂をズット貫き製作している人です

特にこの『マチネー』はヒットこそしなかったけど
『ニューシネマパラダイス』以上に【映画愛】に溢れている

テーマは 【核】と【恋愛】と【映画】

舞台は1962年 キューバ危機に揺れるキー・ウエスト

その街に新作ホラー「マント」のプレミア上映にやって来た映画監督と
毎週劇場に集うティーンエイジャー達の青春コメディー

映画が今よりもっと貴重で遊園地並の娯楽だった時代

アメリカ国民はキューバ危機により【核の恐怖】に脅える毎日・・・
しかしティーン達は【恋の行方】も重大問題・・・
劇場支配人は映画館の下に【1人用シェルター】を作り・・・
舞台挨拶に来たホラー映画の監督は客の入りが心配・・・

映画監督に扮したジョン・グッドマンのシルエットは正に
サスペンスの神様【ヒッチコック】そのもの
(実際のモデルはウィリアム・キャッスルというB級ホラーの監督)

しかも劇場のシートに【電流】を流したり
スクリーンあたりから【煙や火花】を出したり
着ぐるみの【モンスター】を劇場内に走り回らせたり

当時このような仕掛けの映画館も実際あったらしいし
みんなを【驚かせたい】というサービス精神旺盛なとこも
ヒッチコックっぽくもあり 深い映画愛を感じるところ

脇役には50年代に活躍した役者が出てたり
ジョー・ダンテ監督作の常連も何人か出ている

PTアンダーソン監督の作品もそうだけど
常連の俳優を出すっていうのは 役者的にも
毎度【違う顔】を見せてくれるから好きですね

60年代の家庭の様子や ファッションや音楽や 当時の
ニュース映像も織り交ぜてあり 視覚的にも楽しめる

そして 自分も小さい頃 親に連れられて行った
映画館の【暗闇】に入るだけでドキドキし ワクワクし
目を輝かせて観ていた

映画で いろんな冒険を何度も経験した・・・

    見たこともない景色を何度も見た・・・

    大事な人との別れに何度も泣いた・・・

・・・数々の映画をいっぱい思い出した

そんなこんなで 鑑賞後 エンドクレジットも終わり
余韻に浸っていると・・・

【映画】が好きで良かったと 涙がポロッと出た

Natsuki