放蕩息子の帰還

劇場公開日:

解説

現代エジプトを舞台にある一家族の崩壊を、旅立っていく若者たちの姿を中心に描く。製作・監督は「アレキサンドリア WHY?」のユーセフ・シャヒーン。脚本はシャヒーンとサラーハ・ジャヒーン、ファルーク・ベローファ、撮影はアブデル・アジズ・ファミ、音楽はアブー・ザイド・ハサンが担当。出演はショクリー・サラハーン、アーメッド・メヘレズなど。

1976年製作/エジプト
原題:Awdat El-Ibn El-Dhal
配給:シネマトリックス
劇場公開日:1986年5月24日

ストーリー

1960年代末のエジプト、ナイルデルタ地方の小さな町。高校生イブラヒム(ヒシャム・セリム)は、同級生の恋人タフィーダ(マグダ・ルーミー)と語らいながらも、ヨーロッパ留学のことを考えていた。そんな彼の心情を、若い頃パリに遊んだ経験をもつ祖父(マフムード・メリーギ)はくみとったが、父トルバ(ショクリー・サラハーン)は全く息子の気持ちを理解しようとしない。彼は一族の柱であり、老朽化した製粉工場を経営するが独裁者だ。12年前に志を立てて町を飛び出したトルバの弟アリ(アーメッド・メヘレズ)と同じ道を息子のイブラヒムには歩ませたくないと、トルバは思っていた。そして、アリを待ち続けているファトマ(ソヘイル・モルシェディ)と違って、タフィーダは“私は待つことなんてできない”と考えていた。アリは、高層ビルの設計責任を問われ投獄されていたが、ついに釈放の日を迎えた。夕暮の町に辿り着いたアリの帰還を喜ぶ父親、母親(ホダー・スルタン)、イブラヒム、そしてファトマ。苦々しげなトルバの顔をよそに祝いの宴が始まった。しかし、12年はアリをすっかり変えていた。ファトマがわからないのだ。人々の期待をよそに、アリは兄の命ずるままに工場で働くようになった。町を出てアレキサンドリアへ行くことに決めたタフィーダの父ハッスーナ(サイド・アリー・クーイラート)に対しても冷たい。イブラヒムは家族に見きりをつけ、タフィーダと共にアレキサンドリアに行こうとするが、トルバに監禁されてしまう。アリとファトマの結婚の日、ファトマの口からトルバに以前に強姦されたと告白されアリの怒りが爆発した。イブラヒムの監禁を解き、トルバにライフルを構えるアリ。そのころイブラヒムとタフィーダを乗せた車が走り出した。

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