ブロードウェイと銃弾

劇場公開日:

解説

才人ウディ・アレンが“狂騒の20年代”のブロードウェイ演劇を舞台に描く、軽妙洒脱なバック・ステージ・コメディ。製作スタッフはアレン作品の常連が固め、製作は「ザ・フロント」以来のつきあいのロバート・グリーンハット、ほかにプロデューサーとしてヘレン・ロビンや「泥棒野郎」以来のジャック・ロリンズとチャールズ・H・ジョフィも名を連らねる。脚本はアレンとダグラス・マクグラスの共作。撮影は「ハンナとその姉妹」以来アレン作品の大半を手掛けるイタリアの名匠カルロ・ディ・パルマ。編集は「マンハッタン(1979)」以来の常連スーザン・E・モース。美術は「スターダスト・メモリー」の衣装から「ラジオ・デイズ」で美術に転じたサント・ロカスト。衣装はその助手を経て「ブロードウェイのダニー・ローズ」以来全作品を手掛けるジェフリー・カーランド。出演は「ウディ・アレンの影と霧」のジョン・キューザック、アカデミー助演女優賞を受賞した「ハンナとその姉妹」はじめ80年代のアレン作品の常連だった「リトルマン・テイト」のダイアン・ウィースト(本作で再度同賞受賞)、「ブロンクス物語 愛に包まれた街」のチャズ・パルミンテリ、「ゲッタウェイ(1994)」のジェニファー・ティリー。他に「依頼人」のメアリー・ルイーズ・パーカー、「プレタポルテ」のトレイシー・ウルマン、「クライング・ゲーム」のジム・ブロードベント、「ジャック・ルビー」のジョー・ヴィテレリ、「ギルティ 罪深き罪」のジャック・ウォーデン、「ノース ちいさな旅人」の監督ロブ・ライナーほか。キネマ旬報外国映画ベストテン第7位。

1994年製作/アメリカ
原題:Bullets Over Broadway
配給:日本ヘラルド映画=ヘラルド・グループ
劇場公開日:1995年7月15日

ストーリー

芸術肌の劇作家デイヴィッド(ジョン・キューザック)にプロデューサーのマルクス(ジャック・ウォーデン)が出資者を見つけた。ギャングの親分ニック(ジョー・ヴィテレリ)で、女優志願の愛人オリーヴ(ジェニファー・ティリー)にせがまれたのだ。ニックは怖いしオリーヴは超大根、と現実はキビシいが、デイヴィッドは開き直って最高の俳優を要求、主演に大女優ヘレン・シンクレア(ダイアン・ウィースト)、相手役に名優ワーナー・パーセル(ジム・ブロードベント)を獲得、稽古が始まる。この舞台が久々のカムバックになると踏んだヘレンは、自分の役にもっと色気が欲しくてデイヴィッドを籠絡する。オリーヴの警護役チーチ(チャズ・パルミンテリ)は彼女のキンキン声にも、デイヴィッドの観念的過ぎる芝居にもうんざり、ある日演出に口を挟む。チーチにみんな賛成するのでデイヴィッドは面白くないが、しかし彼の指摘は的確、そこで彼に書き直しを“手伝って”もらう。チーチの改訂は大評判、ヘレンはデイヴィッドを前途有望と見て愛人にする。オリーヴはワーナーと浮気、ワーナーは持病の過食症が始まり太りだす。ボストン初演は大好評だがチーチはオリーヴが俺の芝居を台無しにしたと怒る。デイヴィッドは恋人のエレン(メアリー・ルイーズ・パーカー)にヘレンとの情事を問い詰められる。チーチはオリーヴを波止場に連れだし射殺する。デイヴィッドは君に道徳はないのかとチーチを責めるが、彼は俺の芝居を傷つける奴は許さないと断言する。道徳について複雑な心境になったデイヴィッドはエレンに浮気を告白するが、彼女はフレンダー(ロブ・ライナー)と寝てるから構わないと言う。ブロードウェイ初日、オリーヴ殺しの真相を知ったニックはチーチに刺客を差し向け、上演中の舞台裏で撃たれた彼はデイヴィッドにラストシーンの新しい台詞を託して死ぬ。批評家たちはデイヴィッドを称賛するが、自分は芸術家でないと自覚した彼はエレンの所に戻り、一緒に故郷に帰ろうという。エレンは自分が愛したのは芸術家ではなく人間のあなたと答え、二人は再び結ばれる。

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映画レビュー

5.0『お熱いのがお好き』に比することが出来るほぼパーフェクトなコメディ。

2023年4月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

①練りに練った脚本の行間からは”皮肉”の二文字が匂いたって来るようだ。
正に「人間の世界は皮肉さに溢れている」と云っている喜劇。
②全く作り話(フィクション)以外の何者でもない話だが、その中に世の中の真実、人生の真実、人間の真実を、声高に叫んだり押し付けたりせずに感じさせたり思いを馳せたりさせるのが映画。
そういう意味ではとても洗練されたコメディ映画といえる。
③ウディ・アレンの演出も好調そのもの。

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もーさん

3.5よくぞこれだけのセリフを書いた!!

2021年1月25日
PCから投稿

なんか、みんながみんな目が回るほど喋り続けてる感じ。

舞台は1920年代のNY。
大成夢見る劇作家が、ドタバタしながら傑作を仕上げていく、というお話。

ギャングがスポンサーについてしまったがために、ドヘタな女優(ギャングのボスの女)を使う羽目になり大騒ぎ。
でも、めっけもんだったのが、この女のお目付け役に送り込まれたチーチというギャング。
最初は嫌々ながらリハーサルを見ていたくせに、だんだんと劇作家としての才能を開花させていく。
それぞれのキャラが立った映画だけど、このチーチが秀逸。

ウディ・アレンの頭の中って、さぞやかましいことになってるんだろうなぁ。

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UNEmi

3.0わかりやすいウディ・アレン

2020年8月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2020年8月20日

映画 #ブロードウェイと銃弾 (1994年)鑑賞

久しぶり #ウディ・アレン の映画を見たけど分かりやすくて単純に楽しめた
ウディ・アレンの映画と言えば長ゼリフ多用のイメージがあったけどそこまで感じなかった
主人公が偏狭的で妄執的なところは相変わらず。ジョン・キューザックも好演

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とし

5.0アーティストってなに?

2020年4月27日
Androidアプリから投稿

昔見て面白かったので、再見してみた
今度は細部にも目がゆくようになり、やはり面白かった

マフィアの家のお手伝いが ヴィーナス(黒人でおデブ)というのや、ワーナーの腹がだんだん膨れてゆくところも なんとなく…おかしい
ヘレンの豪華な衣装と、誰かを彷彿とさせるウィーストの演技
(誰だろう… アメリカ人にはピンと来るのか?)

パープリンなボスの愛人の警護をしながら、劇作家に的確なアドバイスをしているうちに 作品が自分の色に染まってゆくと、愛人の演技に我慢出来なくなってゆくチーチに 実際に劇作家でもあるパルミンテリを配している
芸術至上主義的なイタリア系なのか
(これが劇作家達の本音だろうか?)

ヘレンとブロードウェイの胡散臭さ、依存症になりやすいストレス社会も理解し、自分の才能にも見切りをつける正常な感覚の劇作家をキューザックが演じている

虚構の世界の周辺とその住人の不思議さ、おかしさが上手くエンターテイメントとして まとめられている

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jarinkochie
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