バッファロー'66

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劇場公開日:

バッファロー'66

解説

俳優・ミュージシャン・画家など多彩な活動で知られるビンセント・ギャロが初監督・脚本・音楽・主演を務めたオフビートなラブストーリー。1991年・第25回スーパーボウルの勝敗をプロットに盛り込みながら、ダメ男だがなぜか憎めない主人公の人生模様と、彼の全てを優しく受け止めようとする少女を描く。5年の刑期を終えて出所したビリーは、故郷の街バッファローへ帰ることに。事情を知らない両親に電話して「婚約者を連れて行く」と嘘をついてしまった彼は、見ず知らずの少女レイラを拉致して恋人のふりをするよう強要。レイラはビリーと一緒に過ごすうちに彼の孤独な素顔を知り、次第に好意を抱き始める。しかし、ビリーにはやり残したことがあった。レイラ役に「アダムス・ファミリー」のクリスティーナ・リッチ。日本では1999年7月に渋谷シネクイントのオープニング作品として初公開(キネティック配給)。当時の渋谷を中心としたミニシアターブームの中で大ヒットとなり、34週にわたるロングランを記録した。2021年1月、渋谷ホワイトシネクイントで約20年ぶりのリバイバル公開(コピアポア・フィルム配給)。

1998年製作/113分/PG12/アメリカ
原題:Buffalo'66
配給:コピアポア・フィルム
劇場公開日:2021年1月29日

その他の公開日:1999年7月3日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)LIONSGATE FILMS 1998

映画レビュー

4.5ポリコレ的な失態が致命傷にならない不思議

2021年2月28日
PCから投稿

別に恥ずかしがることではないので勇気を持って言うと、1999年の日本初公開時にはマスコミ試写会で観てブッ飛ばされ、こけら落としのシネクイントに足繁く通い、サントラを繰り返し聴き、DVDを買い、ギャロの画集を買い、ライブで来日した時には渋谷クアトロまで観に行った。自分だけでなく多くの人がそれくらいギャロの才能に夢中になったし、映画史の汚点ともいえるやらかし映画『ブラウン・バニー』でさえ、但し書きを付けて擁護したい気持ちは今もある。

しかしギャロ自身のキャリアは、本人の問題発言や(世間一般的には)奇行のせいか、いや、おそらく『ブラウン・バニー』が致命傷となって失速していった。いまをもって長編監督作はこの2作しかなく、いい加減、ほとぼりも冷めただろうと思っていたところのリバイバル上映。しかし、これで再評価の波が!とは問屋がおろさず、なんとトランプ信者となってSNSに罵詈雑言を投稿しはじめたのだから、相変わらず厄介な人である。

ただ、厄介なのは、この映画のビリーとて同じこと。ビリーのその後があるとすれば、やはりいじけたり癇癪を起こしたりしながらトランプ信者になって、議事堂侵入事件のニュースを観て快哉を叫んでいたかも知れない。そんな姿はいとも簡単に想像できる。その傍らに、レイラがいるかどうかはわからないが。

つまり、この映画は、普通なら絶対に仲良くなれないし、なりたくないような男を主人公にして、抱きしめてやりたくなるような共感を呼び起こす力を持った作品だったのだ。だからこそ、その後のギャロがどれだけどうしようもない発言をしても、映画の中のビリーは愛せるし、彼に対して過度な期待をすることもない。どうしようもない人間だって、映画の主人公足り得る価値があるのである。だからこそキャンセルカルチャーの波にも負けず、くそったれのまま、映画としても輝き続けるのだろう。

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村山章

4.5クリスティナ・リッチだからレイラは成り立ったのかもしれない

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

久しぶりにめちゃくちゃおもしろい恋愛映画をみた

出会いは最悪、けど恋愛って衝動なのだなとあらためて実感。

ビリー(男)の恋愛が苦手な感じとてもいい。一緒に風呂入るの拒むが、結局一緒に入り、服着て湯船浸かるのおもしろすぎる。
あとベッドシーンもめちゃくちゃぎこちなくておもしろい。

回想シーンの入りだったり、食卓を囲むシーンとかそういう撮り方あるんだって思い、とてもおもしろかった。
色んな作品でオマージュされているんだろう。探って観ていきたい。

あとレイラ(女)もかなりずれているだろう。クリスティナ・リッチだからレイラは成り立ったのかもしれない。

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abokado0329

2.5バッファローに狂わされた男

2024年3月12日
Androidアプリから投稿

被害妄想過多により、
悲哀に満ちた男。
家にも居場所が無く、
愛を知らずに生きてきた。
家庭環境がネグレクト気味。
レイラと出会い生きる希望を得た。

まあこんなうまい話はない。
ほぼ拉致に近いかたちで
さらって惚れるかね。
ストーリーは男が考えたと
安易に想像できる展開。

レイラが可愛くてエロいのがいい。
レイラが全ての映画です。

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to

3.0主人公の人格と物語に整合性が感じられない。  ★2.9

2023年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

私には特に前半は見るのが辛い作品でした。 あり得ない最低人物像で意外性を強調し、その人物を好きになる少女が、これまたあり得ない言動でほぼファンタジー・・。

瞬間湯沸かし器で身勝手、"他者への配慮"なんて言葉は、この者の脳内に存在しない。 そして出獄して1時間以内に犯行。 流血暴力こそ振るってないが、性格はほぼ獣な主人公。 分析せずとも、まともなコミュニケーション等出来る様な人物ではない。
それにダンススクールに通っている様な少女が惚れるという脚本が唖然で無理筋。

私も10代~21歳位までは、作品の出来に関係なくとにかく沢山の映画を見た。 当時はレビューサイト等勿論なく、作品を点数で評価する事もなかった。(映画雑誌の論評にはあったかも)
なのでその当時なら、「へ~とんでもない主人公・・」ぐらいにこういう作品でも普通に見れたかもしれない。

が、いつしか年齢を重ねると、作り手側の思惑が見えたり、あり得ない設定や本筋以外での興味を引く事が多いあざとく感じる作品は、視聴が辛くなって来る。

今作も、遠ざけたくなるような主人公や、ほぼ病的な両親のシーンが続き、前半でリタイヤしようかと・・。
でも★平均が高い理由が後半以後にあるはず・・と続けて視聴。

たしかに後半は物語が進展し、心境の変化にSEXY描写やストップモーション映像などの見所が加味されているが、身勝手人物を信頼している親友の存在など、整合性が会わない脚本に違和感は払拭されず、感情が大きく動く事はなかった。

少女の「最後になりそう・・」との目の潤みが、犯行を留ませたと思える感動ポイントだが、それまで何一つの思いやりを示していない主人公にそれほど傾倒するのに無理を感じた。

尚この女性(クリスティナ・リッチ)が作中は27歳と語っているが、どう見ても16~17歳、(欧米人ならもっと若く見ているかも)演じた女優さんも当時18歳位。 主演ビンセント・ギャロは当時36歳ぐらい。 この年齢差をまったく表現していないのにも違和感。

ギャロ本人の監督・脚本・主演・音楽だが、選曲のセンスはよしとするも、思いつきを沢山詰め込んだ・・ぐらいにしか私的には感じずでこの評価に。

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レオン
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