裸の町(1948)

劇場公開日:

解説

1947年暮急死したマーク・ヘリンジャーのUIにおける第4回すなわち最後の作品である。第1は「殺人者」第2は「えらい奴」第3は「暴力」で「暴力」の監督者でモーリス・シュワルツのユダヤ芸術劇場出身のジュールス・ダッシンが監督した。ストーリイはマルヴィン・ウォルドが書きおろし、アルバート・マルツがウォルドと協力脚色した。撮影は「ニュウ・ムーン」のウィリアム・ダニエルスで、音楽は「赤い家」のミクロス・ローザである。出演者は「我が道を往く」「最後の地獄船」のバリー・フィッツジェラルド以外は全部新人で、「暴力」のハワード・ダフ、ドロシー・ハート、ドン・テイラー、テッド・デ・コルシア、ハウス・ジェームズン等が主なる役を勤めている。

1948年製作/アメリカ
原題:The Naked City
劇場公開日:1948年12月28日

ストーリー

午前1時、世界第1の大都会は眠っている。しかし色々な出来事のも起こっている。あるアパートの1室では2人の男が1人の女を殺している。翌朝、浴そうに死んでいる女を検死したのは、強力犯係の警部ダン・マルドワーンである。被害者はジーン・デクスターという26歳の衣装モデルである。彼女を診察したことのある医師ストーンマンは、その職業的な観察を二、三述べた。衣装店の女主人はジーンは男性の好奇心をひくことを努める女だったと述べた。モデル朋輩のルースはジーンについては何も知らないのと同じだった。怪しいのはルースの婚約者フランク・ナイルスであったが、彼には協力なアリバイがある。ところがハローラン刑事はナイルスが質入れした指輪が、ストーンマン医師宅から数か月前盗まれた品であることを突きとめる。続いてジーンの死体がはめていた指輪も盗品であることが判明する。探偵たちはルースと共にナイルスのアパートを訪ねると、彼はメキシコへ高飛びしようと荷造りしている最中で、探偵たちが入ると銃声が響いてナイルスは倒れる。すばやく身を伏せたので傷はなく、狙撃した男は避難階段から逃げ去る。ハローランは追跡する。マルドワーンはナイルスの部屋でさらに多くの宝石を発見する。それは全部、ルースに与えた指輪も、ジーンからもらったのだとナイルスは告白する。憤ったルースはナイルスとの婚約を破棄する。ハローランはジーンとナイルスの関係をたぐってイースト河に死体となって浮かんでいたバカリスという宝石泥棒の一味で彼はナイルスを狙撃して逃げたガーザと仲間だったのだ。マルドワーンがナイルスを尋問している時、召喚に応じてきたボストンの宝石商が、あとで盗品と判明した宝石を売りに来たのはその男だといい、ストーンマン医師の紹介状を持参したので信用して取り引きしたと申し立てる。この証言に参ったナイルスは宝石泥棒であることを自白し、医師も一味だと告げる。探偵においつめたれてストーンマンは自白する。彼はジーンを愛していて金が足りないので、ストーンマン夫人が夜会を開く毎にその客のたれ役の留守宅をジーンとナイルスに知らせたのである。そのあげく自宅までも荒らさせるという愚をあえてしたといって、飛降り自殺を企てたが止められる。ナイルスはガーザとバカリスを手先として雇ったこと、この2人が分け前をむさぼるためにジーンを殺したことも告白する。ハローランはガーザを捕らえんとしたが、職業レルラーのガーザは刑事を倒してピストルを奪って逃走する失神からさめると刑事は追跡して、裏町から裏町へ、裏町から表通へ出てガーザはウィリアムスバーク橋へ逃げる。橋の中央で進退きわまった凶漢は地下鉄線路を渡って逃げんとし射殺される。朝はまだ訪れない。昼間とよいのよそおいを脱いだ裸の大都会はまだ眠ったままである。

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