劇場公開日 2018年6月2日

トラスト・ミーのレビュー・感想・評価

全10件を表示

5.0大げさに聞こえるでしょうが史上最高のラストシーン

2018年12月31日
PCから投稿

泣ける

笑える

幸せ

ハル・ハートリーの映画には不器用な偏屈者がゾロゾロと出てくるが、誰もがどこかで青臭さを捨てきれない。そんなもどかしさが最もピュアな形で描かれているのが『トラスト・ミー』ではないか。もはや30年近い前の映画だが、特徴の薄い郊外の町で描かれるぎくしゃくしたラブストーリーは、今も痛切に胸に響く(それでいて全編が奇妙なユーモアで貫かれている)。なんといってもこの映画のエイドリアン・シェリーとマーティン・ドノヴァンの魅力には抗いがたく、モンスターペアレント的な母親を演じたメリット・ネルソンの複雑な表情にも魅入られる。そしてこのラストシーンを越えられる映画が果たして映画史上にいくつあるだろうかと考えてしまうのはハートリーファンの贔屓目か。ハートリーの映画をあまり知らない人たちに、ぜひとも観ていただきたいと思う。傑作。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
村山章

3.5お互いに同性の親から

2023年10月22日
iPhoneアプリから投稿

お互いに同性の親からのコントロールされている状況から逃げることができない2人が出会う。

それによって2人とも、お互いを親から逃そうとするのに
自分は逃げられないと思っているのが不器用で切ない。
エイドリアン・シェリーは本当に可愛い。

自分は、毒親育ちだと自認してるので
同性の親からの抑圧が男女ともに描いてくれてるハル・ハートリーにありがとうと言いたくなった。
しかも、妙に軽やかに描いてあるから、自分も大丈夫かもと思わせてくれる何かがある。事の矮小化ではなく気持ちを軽くさせてくれるなんて案外できそうで難しい気がするけど、これはハル・ハートリーのマジックな気がする。

配信で鑑賞

コメントする (0件)
共感した! 0件)
madu

3.5タイトルなし

2023年10月7日
Androidアプリから投稿

『17歳の瞳に映る世界』『レディ・バード』あと『レッド・ロケット』などにも繋がってきそうなテーマ。『射精責任』映画でもある。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ouosou

4.0Looserの世界

2023年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

なんだか世間から落ちこぼれた人たちの愛すべき物語。って簡単にまとめるのは間違ってる気もするけど(笑)、とにかくとても面白い映画でした。ハル・ハートリーらしさ満開ですね。堪能しました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
arlecchino

4.5現代的なラブストーリー

2022年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

単にラブストーリーと言ってしまうと、この濃密な内容を言い表せない気がするけれど、明確に恋愛物語であるし、時代は経っているとはいえ、一筋縄ではいかない現代的な男女関係を見事に描ききっていたように思います。
かなり偏向な設定だなーと感じてしまうところはありますが、それが故に、かなり感情を揺さぶられ同時に高ぶらせてくれるような効果を生み出していた気がします。
いま見ると、映像の質感や音楽はどうしても古めかしく感じてしまうし、良くも悪くもこれぞインデペンドという雰囲気や作品の質なので、見始めはどうしても作品への(…これって本当に面白いのか…という)不安感を持ってしまいましたが、あらゆる設定とその絡み合いによって紡ぎ出される様々なストーリーに、完全に心を持っていかれました。
素晴らしい内容のみならず、カメラアングルや絵の構図の良さがまた見た目にも興味をそそられるものでした。強烈な内容を絶妙に引きずるような、このイカしたショットが、物語の続きみたいなものを感じさせる終幕の余韻なんかを生み出していて、実に見事なものでした。ちょっと古くさいなーと思ったバックグラウンドミュージックも、最終的には作品に非常にマッチしていたなぁという印象だったし、総体的な感動は全く想像できないものでした。ちょっと凄すぎます。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
SH

5.0すき

2019年9月8日
iPhoneアプリから投稿

もし幼い頃に見たら退屈に感じてしまいそうな雰囲気だけど、今の私にはなんだか魅力的で引き込まれて最後まで目が離せない作品でした。
ワンシーンワンシーンに意味が沢山詰まっているように感じました。全てが絶妙で、私の好みにガッチリはまりました…主演2人のシーンがどれも素敵で、危なくて切なくて突拍子もなくて、だけどとても惹かれる。
一つ一つの言葉も深くてなんだか全体的にはふわっと軽く見れるようなイメージの映画なのにその中にはすごく重くて奥深いものがあるなと思いました。お気に入りの作品になりました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
たきも

5.0最高傑作

2019年1月13日
スマートフォンから投稿

この頃のハートリーの長編映画(unbelievable truth-simple menまで)は同じテーマを覚めた視点で描きながら、最後はどうしようもないほどピュアな感情溢れる作風でその頂点がこの作品だと思います。

海外の批評家から淀川長治まで絶賛され、ハリウッドからの誘いを断っていたハートリーがこの後作家性を強めて行き、感情面の熱量が下がり早くもピークを過ぎてしまったのは残念。
彼の短編映画を見るとゴダール的要素を初期から持っていたのがわかりますが、彼の個性はそこではなかったのに。

不器用でアイロニックなセリフや独特のドライな空気感、それでいて最後に何より熱い感情を感じられる忘れ難い作品です。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
maybe

4.5家族全員応援したくなる

2018年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

幸せ

コメディな冒頭から、思いがけず波乱万丈の展開へ。
ユニークな登場人物たちの洒落た会話の駆け引き。
軽いタッチでサラサラと流れる時間。
それぞれの家族全員を応援したくなる。
人生成るようになるって!

コメントする (0件)
共感した! 1件)
miharyi

4.0ザシネマ 試写会にて

2018年7月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

何とも言えない浮遊感がずっとある
ずっと一緒に浮いていられる
何とも言えない心地良さがある

リアルさが自分達が思い描く日常とは違うけれどこれが本来の日常なのかもしれなくて
世の中を美化しすぎてて、薄っぺらくしてるのは自分達で、本来は溝が深くなりすぎたら、音が途切れてしまうようなレコードのように繊細なもので溢れているのに見ないふりをしてキラキラとした部分だけを見ていたことに気づいた

誰かに影響を与えたり、
与えられたり、
そうして人は変わっていくし
お互いが出会って、影響し合うことで、
それぞれが型にはまっていくように溶け込んでいく
それが良いのか悪いのか分からないけれど
それが結局ありふれた日常に繋がっていくのだとおもった

愛が人を傷つけるのかもしれないけれど
傷つけたとしても
人間愛がないと生きていけないのかも
しれない

自分にとって遠くにあるものが
いつのまにかすごく近くなってて、
それが近くなったのかも分からないくらい
近くになりすぎてるときもある
それが本当の理想なのかもしれないな

20代の私がみるのと、これから何十年か経った私がみるのと感じ方が
大きく変わってくる映画だとおもった

年代が変わるごとに、自分に見せてあげたい映画だった
トラストミーはこれからの現代に溶け込んでいく映画だろうなとスクリーンでみた私はそう強く感じた

コメントする (0件)
共感した! 1件)
すぽろん

4.5隔たった愛

2018年6月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

萌える

到達点を着地させなければ愛情は!?

二人の愛情がどこに向かっているのか人生も含めてフワフワと二人の母と父の愛情は定まっているようで間違った方向にごちゃごちゃと。

50年代の色彩豊かなアメリカ映画に登場する顔立ちの印象があるマリアのイメージは軽そうでバカ女っぽいスタイルにアバズレ感が漂う序盤から打って変わって清楚で文学的な可愛い少女に様変わり!?

滑稽で笑わせられるシーンもあるがテーマは重いようにも感じられて。

居候して家族の間に入り込む感じは「ヘンリー・フール」を思わせるが本作の登場人物たちの複雑な感情がブレブレで皆んなどこにも落ち着けない寂しさとラストには希望が!?

コメントする (0件)
共感した! 1件)
万年 東一