劇場公開日 2022年11月4日

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「プライドなんていらない」殺人狂時代 カルヴェロ1952llさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5プライドなんていらない

2020年5月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

笑える

怖い

知的

さて、チャップリンです。
たぶん皆さんが思い浮かべる彼とは全く違うイメージではないでしょうか
チャップリンと言えば、見返りを求めない『愛』でありどんなに貧しくても人の道は外さない(多少の盗みはするけど)紳士であり誰からも愛されるチャーリーのイメージですよね
チャップリンが何を伝えたかったのか
世の中の人の心が変わってきたからでしょうね
戦争とは殆どが被害者である、仕掛けた国も仕掛けられた国も、買った国も負けた国もそこに住む人々の大半は被害者でしょ、とても心穏やかに生活するなんて無理な話
何かに腹を立て何かを非難し、より安全なところから弱い物を遠ざける、そんな人々に贈るメッセージ
1人で戦い神から与えられた善の心を捨て去り完全に自分の仕事として生活する事に徹した男の物語
動物と違い人にはやってはいけないルールがある、シナイ山で頂いた十戒にも記されている
自然界では全く通用しませんけどね
人は服を着て生活するようになったので仕方がないのです
だからルールが必要なのです、少しのお金も必要なのです
彼には彼の理屈があり、それが彼の仕事になった
とは言え最初からでは無かったと思いますけどね
彼の言葉を借りるなら
「絶望は麻薬に似ている 人の心をマヒさせる」

チャップリンはこの映画に女神を2人用意しました
1人は妻でしょうね
もう1人は雨の日女、彼女には3度会い2度救われている
最初にあった時に己の愚行に気が付いていたら妻子ともっと長い時間いっしょに生活出来たでしょうに
悪も女神にはなす術がないのですね
見ている前ではだけですがね

カルヴェロ