劇場公開日 1982年5月22日

タップスのレビュー・感想・評価

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3.0ショーン・ペンとトム・クルーズが共演!

2022年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ジョージ・C・スコット、ティモシー・ハットン
トム・クルーズ、ショーン・ペン
今観ると、かなりの豪華俳優陣。
若手俳優達の演技合戦も見ものの一つ。
公開当時「普通の人々」でアカデミー最優秀助演男優賞を受賞した
ティモシー・ハットンに注目が集まっていたが、
いざ蓋を開けると、完全に共演のショーン・ペンに食われていた。
ショーン・ペンはやはりこの頃から頭角を現していたいた。
トム・クルーズの血気盛んな暴走する兵士役も凄くイイ!
作品としては、可もなく不可もなく、といったところ。

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おじ

5.0何を教育するのか

2021年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

知的

大切なものを守りたかっただけなのに、なんでこうなってしまうのだろう。

教えられたものがすべてだった。
だから、教えられたことを披露すれば、皆わかってくれるはずだった。
親だって、この学校を愛し、そこでの学びを確実に習得している自分たちを誇りに思っているはず。
心酔する校長の意思を決行しているはずだった。
なのに、なぜ…。

戦略にはたけていたものの、大人の世界の、現実の複雑さ・猥雑さは学んでおらず、その中で生き抜く知恵には無知だった。

井の中の蛙。純粋すぎるその思い。その行く末…。

とても重い。
 観終わった後しばらく声も出なかった。数日、否、今でさえ、思い出すと胸が締め付けられる。忘れてしまいたいような でもずう〜っと残る作品です。
  (『硫黄島2部作』を観たときより衝撃が激しかった。)

若き才能がキラキラしています。
 ハットン氏、ペン氏、トム様だけでなく、他の青年もキラキラ。特にチャーリー役とその相棒がいい味出しています(だからこそ、終盤のエピソードが、筋を知っていてもズシンと来る)。
 ブライアンが主人公で、そのシャドーというか良心役としてのアレックスが配置されて、それに周りの青少年が絡んで物語が進んでいくのだけれど。
 DVD発売の頃にはトム様前面に出した方が”売れる”と踏んだ発売会社がトム様を前に押し出したDVDのパッケージを作ったと何かで読みました。まあ、販売戦略というのもあるのでしょうが、実際本編を見るとディヴィット・ショーン(トム様)の出番は少ないけれど胡椒は小粒で存在感ありみたいな目が離せない印象に残る役です。いろいろなレビューでは、ショーンはただのクレージーみたいな評が多いけど、自分に与えられた役目を何が何でもどんな手段使っても遂行しようとする人なんだと思います。ただ銃を撃ちたいのだったらもっと他の所で暴発しているのではないでしょうか。例えばチャーリーの報復とか。でも隊長の命令ないからやらない。根っからの軍人だから。彼は”降伏”という負けを受け入れられなかっただけ、そしてそれを他の人にも強要したのだと思います。最後にキレたのはほとんど自暴自棄にみえます。ある本によるとはじめ他の方がこの役だったけど、監督がトム様に割り当てたとか。その役者に遠慮してトム様固辞していたけど、だったら他の奴にやらせると言われて、引き受けたとか。う〜ん、あのはじけっぷりがなかったら、この映画胡椒が効いていないものになっていた。さすが監督。

ベテラン陣も渋み出しています。
 ブライアンのお父さんは反抗したくなるような嫌味を醸し出し、カービー大佐はつい降伏してしまおうかという気持ちにさせる軍人。ベイシュ校長を演じたスコット氏は『博士の異常な愛情』や『ハスラー』にも出てた人。少年達が”師”として、”父”として、自分の命をかけて慕いたくなるもの納得の演技を見せてくれます。

だからブライアンの心の揺れにも同調できました。自分の命令ですべてが動いてしまうリーダーは辛いやね。
 そんな、一人ひとりの心の揺れを、特にブライアンとアレックスを中心に、丁寧に描いていきます。

でも、なんでこんなことになってしまうのだろう。

  「学校を守りたい」=自分のルーツ・アイデンティティを守りたい。とても重要なこと。入学以来、首席を守り通して、やっと全校の生徒指揮官として君臨するブライアンにとっては自分が築き上げてきた城だし。最少年のチャーリーにとっては両親よりも大切な憧れの上級生・仲間との場だった。
  大人だって、自分の権利を守るために、立てこもりストをやる。
  だから、少年もと言いたいが、普通と違っていたのは、この少年たちは武器を持ち、それを扱える技術を持っていた…。
  簡単に要求は通ると思っていた。両親・親族の勧めで、この素晴らしき学校に入学し、素晴らしい教育を受けてきたのだから。その両親と教員の教えを貫き、実践しているだけ。そんな自分たちを誇らしく思い、意見を聞いてくれるだろうと。それが彼らの世界のすべてであった。
  士官候補生として自分達の力への過信もあったろう。大人を甘く見ていたのも事実だ。他にもいろいろとれる方法はあったはず。先輩方への根回しとか、この学校に入学させた両親・親族に泣きつくとか。でも、学んだ軍隊の技術・武力さえ使えば大丈夫としか考えなかった。
  「大人への反抗」という見方もあるが、彼らは大人が彼らに教育したことを実践しただけ。
  裏切ったのは大人。彼らに教えてきたことを無かったことにしようとした。
  カービー大佐の命令に従わないのは軍人としていかがなものか、という疑念はある。私は軍規は全くわからないけれど、少年たちにとっての上官は校長だけだったのではないかと思う。校長が回復して「降伏」と言えば、従ったのではないか。大佐は、階級的には上だけれど、少年たちにとっては、大佐こそ軍規を乱させようとする、メフィストフェイレスだったのではないか。

  そして、大人だってすぐに武力を出してきた。
  ストーリーに「説得」とあるけど、家族の愛を使った泣き落としと、青臭さへの非難と兵糧作戦・武器を使った脅し、もっと世渡り上手になれ、「子どもじみたことやってないで、降伏しろ」と繰り返すだけ。
  ブライアン達の要求「自分達も話し合いの話につかせろetc」はまったく無視。ネゴシエーションどころか、ディベートにさえなっていない。
  …ベイシュ校長以外の教員はどうしてたんでしょうかね。

『タップス』の生徒達は「学校を守りたい」と思うほど、学校に適応していた。教育理論を生徒に浸透させたという意味では素晴らしい教育をしていたはずなのに。
 本当に学ぶべきことって何なのだろう。テストや振る舞いに満点とらせることより、まず課題解決法を学ぼうよ、と思いました。

暴力・武力で解決しようとする犯罪が増えてきたことと合わせると、皆で観て一緒に考えたい。
もっと注目されてよい作品だと思います。

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とみいじょん

3.0この学校は、僕達が守る!

2021年1月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2021年1月16日
映画 #タップス (1981年)鑑賞

主演が #ティモシー・ハットン です
そして、脇を固めるのが #トム・クルーズ と #ショーン・ペン です
主演が弱いと感じる人もいるかもしれないが、ティモシーは、#アンジェリーナ・ジョリー と付き合ってたし、#デブラ・ウィンガー と結婚していた人!

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とし

4.0彼らの七日間戦争

2019年12月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 実際に何日間の籠城だったか数えてませんが、世間体やら、飽きがくるとか、兵糧攻めに耐えられるかとか、やっぱり一週間くらいが限界なのだろう。彼ら学生は最年長の指揮官ブライアン(ティモシー・ハットン)を中心に、閉校反対、心臓発作を起こしたベイシュ将軍の安否確認、そして大人たちへの反抗のため学校を占拠し、籠城を行ったのだ。

 ベイシュ将軍(ジョージ・C・スコット)も英雄となった者、名誉の死を遂げた者を世に送り出した輝ける栄光を胸に秘め、名誉を重んずる指揮官へ将来を託す気分だったのだろう。1年後には陸軍幼年学校も閉鎖。士官が約束された若者を教育できたことに満足げだったのだが・・・若者たちとのトラブルに巻き込まれ、一人の青年を誤射してしまい事態が急変するのだった。

 世間ではベトナム戦争への反省から「狂気」とまで言われた『地獄の黙示録』などの映画や本が氾濫していることに沈痛な面持ち。「実戦で狂気なんてない」と言いつつも閉校止む無しとも考えていたベイシュだったが、そこへの誤射事件である。若者は死に、彼自身もショックから心臓発作を起こしてしまう。

 立て籠りを決めたブライアンは補佐役のアレックス(ショーン・ペン)やショーン(トム・クルーズ)とともに下級生たちを指揮するのだが、生っちょろい大人への反抗なんてものじゃなく、倉庫にあったマシンガン、手りゅう弾などの武器を所持しているのだ。やがて、警官隊や本物の軍隊が学校を取り囲むのだが・・・といった内容。

 学校のTVルームでは映画『MASH』が流れていたりするのですが、「そんなもん見るなよ~」などとヤジが飛んだりする。上級生たちは世間がどう見てるのか気になるためニュース番組を見たい一心。学外では毎晩のように親たちからのメッセージが流れるといった具合で、大人たちは平和的に解決しようとしているのが手に取るようにわかる。やがて「彼らはテロリスト」なる意見も聞き、徐々に籠城から離れていく生徒たちも出てくる。リーダーのブライアンも帰りたい者は帰すという優しさも残っているのだ。

 籠城事件という珍しい視点ではあるが、明らかにベトナム戦争への反省から反戦作品となっている本作。平和的に話し合う余地も見せていたのですが、学生の一人が大やけどを負って搬送されてしまうし、12歳の少年がこれまた事故のため亡くなってしまうし、ベイシュが亡くなったとことも知り追悼集会も開かれたりする。軍のカービー大佐は「翌朝に投降しなければ総攻撃をかける」と促し、アレックスが「俺たちは勝ったんだよ」と慰め、ついにブライアンも投降する覚悟を決めたのだ。実際、彼らの気持ちが事件を通して世に知らしめることができたことを考えれば“勝った”のだろう。しかし、一人だけ、レッドベレーのショーンだけが、カービー大佐を狙撃、マシンガンで乱射を始めるのだ。

 「ビューティホー!」。ショーンの狂気が愕然とさせる。やっぱり戦争は狂気を呼ぶのだ。軍服を着て銃を持てば、誰でもそうなる可能性がある。指揮官が有能であっても狂人は必ず出てくるものだ。そんな狂気を演ずる若きトム・クルーズも名演。ショーン・ペンやティモシー・ハットンも素晴らしい演技でした。

 中東の危険地域のドキュメント映像等で、幼き子供たちが銃を訓練させられる悲惨な光景なんかがありますが、陸軍幼年学校なんて結局それと同じなんですよね。しかもアメリカという先進国で。ちなみに日本にも戦時中は存在してたみたいです。

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kossy

4.0若きトムクルーズとショーンペンがやりあう

2017年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル

悲しい

実際にやり合うのは親友のティモシーハットンとショーンペン.
死を美化するな!
命を賭してでも名誉を守るという気持ちと
実際に目の前で命が失われるという現実

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消されるので公開しない

3.0まるで226事件のアメリカ少年兵版

2013年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合:60点
ストーリー: 60
キャスト: 65
演出: 70
ビジュアル: 65
音楽: 60

 自分が正義と信じれば、自分が大事にしているものを守るためには、何をしても許される。まだまだ子供の彼らはそんな信念に凝り固まって周りがまるで見えていない。最早軍人として常識の、上官の命令に従うということすら出来なくなってしまった。
 見ていて馬鹿だなあと思うのだが、ようは彼らは非常に精神的に幼いのである。まるでかつての日本軍を見ているよう。これは226事件を元に描いたのですかと思ってしまったほどに彼らの行動はそっくりでした。でもそれだからこそ有り得るかなとも思える。

 後の有名俳優が何人か出ていましたが、それほど彼らのその後の活躍を想像させるほどのものではありませんでした。演技が悪いという意味ではなく、雰囲気もけっこう違っていたということです。

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Cape God