太陽の王子 ファラオ

劇場公開日:

解説

エジプト王朝を舞台にファラオ(偉大なる王)たるべく生まれた若者が、その卓抜の才能にもかかわらず、周囲の陰謀によって悲劇的最後をとげるまでを描いた、ポーランド映画のテーマをぎりぎりにしぼりあげた原型的作品。監督は「尼僧ヨアンナ」のイェジー・カワレロウィッチ。ヴォレスワフ・プルスの原作を「尼僧ヨアンナ」のタデウシュ・コンヴィツキとイェジー・カワレロウィッチが脚色。撮影は「抵抗の詩」のイェジー・ウォイチック、美術はイェジー・スクシェピニュスキー、音楽は「戦争の真の終り」のアダム・ワラチニュスキーなど、カワレロウィッチの作品でおなじみのスタッフがそれぞれ担当している。出演はワルシャワ演劇学校の学生ゲオルゲ・ゼルニック、「ヨーロッパの解放」のバルバラ・ブリルスカ、その他、クリスティナ・ミコワイエフスカ、ピョートル・パウウォフスキー、レシニェック・ヘルデーゲン、イェジー・ブチャッキなど。イーストマンカラー、デアリースコープ。

1966年製作/ポーランド
原題:Pharaoh
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1970年7月1日

ストーリー

紀元前十一世紀、エジプト帝国の勢力は日々衰退していたが、そんな現状を、ファラオの子、王子ラムセス(G・ジェルニック)は、歯ぎしりしながらみていた。彼は勇猛でありファラオの権力を盛り返すことを心に誓っていた。実質的にエジプトを牛耳っている神官達の長である大僧正のヘアホー(P・バウウォフスキー)は、王子の無思慮を心配していた。そんなヘアホーや、父親、母親への反撥心から、王子は演習中にみかけたユダヤ女サラ(K・ミコワイエフスカ)を、宮殿に連れ帰り、妾にしてしまった。そのころ神官たちはファラオの許しなしに、隣国アッシリアと不利な条約を結んでしまった。二国間の戦争を望むフェニキアの商人たちは、王子をそそのかすため、女司祭カーマ(B・ブリルスカ)を妾として送り込んだ。王子はたちまち彼女の妖しさに魅かれてしまった。やがて、サラに子が生まれた。ヘアホーはこの子を将来イスラエルの王にするため、ユダヤ名前をつけるようサラに命じた。だが王子にはファラオの孫がユダヤ名前を持っていることに我慢できず、サラと子供を奴隷小屋に移してしまった。そうしたある日、リビア人の反乱が起き、王子は司令官として彼等を打ち破った。しかし、その間にカーマが王の影武者ライコンと駈け落ちし、サラと子供がその男に殺されたという報告が入った。常勝将軍ラムセスはピラミッドのふもとに立っていた。そばには、王子に深い理解と期待をよせている神官のペンチュア(L・ヘルデーゲン)がつきそっていた。ラムセス十二世が死に、王子はラムセス十三世となり、ついに、フアラオとなった。そして、すぐに神官たちを追い出す画策を始めた。まず困窮する人民を煽動、腹心のタトモシス(J・ヴチャッキ)を使い、神官たちを皆殺しにする計画をたてた。しかし、ヘアホーは巧みに日蝕を利用し、人民に神罰の恐れを抱かせた。作戦が失敗したことを知りたラムセスは、タトモシスをヘアホー逮捕に向かわせたが彼は逆に部下に殺されてしまった。ついにラムセスは軍隊を引きつれ、神殿へでむくことにした。その時、王はライコンの姿を見た。ライコンのナイフは王の腰に深々と刺さり、王の手はライコンの咽喉をしめあげて、殺した。そのまま、王は忠実な部下の前に姿をみせることなく息たえた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第39回 アカデミー賞(1967年)

ノミネート

外国語映画賞  
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