第七のヴェール

劇場公開日:

解説

劇作家、映画作家であり、プロデューサーであるシドニー・ボックスが自己のプロダクションを興して製作し、コンプトン・ベネットが監督に当った映画の一つで、脚本はボックスがミュリエル・ボックスと協同して書きおろした。主演は現在英国映画界第一のスタアたるジェイムス・メイスンと目下ハリウッドにあるアン・トッドである。助演者はヒュー・マクダーモット、ハーバート・ロム、アルバート・リーヴェン及びイヴォンヌ・オウエン、で撮影監督はレジノルド・H・ダイヤーである。音楽はベン・フランケルが作編曲し、ロンドン・シンフォニー・オーケストラがミューア・マシーソンの指揮で演奏している。

1945年製作/イギリス
原題:The Seventh Veil
劇場公開日:1947年12月

ストーリー

自動車事故で両手を火傷して入院したピアニスト、フランチェスカ・カニンガムは傷が全快したにも拘らず投身自殺を企てた。すぐ救われて再び入院した彼女は、一種の精神病者で口も利かなくなった。精神病の名医ラーセンは、彼女の胸の秘密を告白させ精神を開放させれば、正常に復すると確保し、麻酔薬を注射して仮睡させた上で、催眠術的暗示を与えると彼女は彼女は次の物語をした。フランチェスカはピアノが好きで上手だったが、十四才のとき、ある日学校に遅刻して手を鞭打たれたため王立音楽学校への試験に落第して自信を失ってしまう。孤児となった彼女は又従兄のニコラス・カニンガムに引取られた彼は足が不自由で独身で女ぎらいだったが、フランチェスカがピアノに才能があると知ると、熱心に教え始め、教えることが出来なくなると、ロンドン、パリ、ミラノの音楽学校で勉強させた。フランチェスカはロンドンで音楽学生だったころ、ナイトクラブの楽手ピーター・ゲイと愛し合い結婚した。ニコラスはそれを怒り直ちに彼女をパリへ連れていったのでピーターとは音信不通となった。ピアノ修行も卒えたフランチェスカはヴェニスで初演した。その時十四歳当時の学友スーザンが会いに来たので、彼女は手をむち打たれた記憶がよみがえり、見事に演奏はしたが終わると失神して了った。それから欧州各地で演奏し、ついにロンドンでアルバート・ホールで演奏した。その夜、彼女は、ニコラスの束縛を受けぬ身となり、ピーターを探し回り、ジャズ・バンドの指揮者となっている彼と再会した。彼女は画家マクスウェル・レイトンに肖像を描いてもらううち、彼に恋され婚約したが、自動車事故で手を火傷し、もはやピアノを弾けないと信じ込んだのだった。この告白を聞くと、ラーセンはピーターを訪ねて再会の時、彼は妻帯していたので彼女が失望したことを知る。ラーセンはフランチェスカがピーターとダンスしたワルツのレコードを、彼女に聞かせ彼女の気分を開放することに成功した。自己を取もどした彼女は三人の男性のうちニコラスを夫に選んだ。

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