劇場公開日 1974年12月14日

「ちょと変化球に走った感はある」007/黄金銃を持つ男 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ちょと変化球に走った感はある

2019年3月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

主題歌はジョン・バリーの作だが曲は今一つ
歌手もシャーリー・バッシーではなく耳に残る力はない
もし彼女が歌ったとしても、ジョン・バリーの曲がもう少し良くても本作の雰囲気にはそぐわなかったろう
それは音楽だけでなく映画全体に言えることで、前2作と比べるとボルテージのダウンは否めない
それでも前作から僅か1年で構想段階の更地から撮ってしまうのだから恐るべし

燃えよ!ドラゴンの折からのカンフーブームに乗っかってマカオ、香港、バンコクと舞台を展開する
猛烈に燃えよ!ドラゴンを意識しているのは明らか
バンコクでの水上マーケットでのボートチェイスを前作のペッパー保安官を再登場させて再現してみせたり、バンコクの市内の目抜き通りでのカーチェイスシーンや郊外の川での有名なコークスクリュー・カージャンプは見もの

バンコクはエマニエル夫人がほぼ同時期の製作であったがたまたまに過ぎないだろう
しかしタイが欧米人の視界に入ったのはこの頃だったのは間違いない

しかし全体としては散漫な印象をうける
悪役はクリストファー・リーが良い雰囲気を出して印象的ではあるが小粒感は否めない
今までの敵の用心棒の大男の逆で小人を出して来たのは面白いがあざとさもある

ちょと変化球に走った感はある
シリーズの次回作は路線を引き戻し引き締める必要性が残った

あき240