「本作があったから21世紀まで続けていけるコンテンツに本シリーズはなり得たのだ」007/死ぬのは奴らだ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

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007/死ぬのは奴らだ

劇場公開日 1973年7月14日
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本作があったから21世紀まで続けていけるコンテンツに本シリーズはなり得たのだ

前作ダイヤモンドは永遠にでシリーズをリセットして人気シリーズを終了の危機から救いだしたのだが、結局前々作の女王陛下の007と同じ出発点に戻っただけとも言える
ではどうするのか?の難問への回答が本作であった
そして、それは観ての通り大正解であった

その答えとは
一つ目は時代の変化へ対応
つまり60年代の価値観で作られて来たこのシリーズを如何に70年代の新しい時代に適応させるか
この回答をしなければ時代遅れのシリーズということが決定的になる
逆に言うとその答えを出せれば、シリーズをこれからも長く制作していけるという訳だ
だからポールマッカートニーとウイングスのロックの主題歌にしたのだ
ヒッチコックでいうところのマクガフィンもゴールドでもダイヤモンドでもなく麻薬になる
黒人運動の盛り上がり、黒人音楽の全世界的流行
NYハーレムの黒人スラム化、さらには中南米ことにプエルトリコからの難民がNYに押し寄せていた
そして米国中に麻薬中毒が蔓延していた
実際、当時は低予算でも黒人が詰めかける黒人向けのアクション娯楽映画が大ヒットを連発していたのだ
オカルトの流行もあった
若者向け原作を選定しベースにして、これらのモチーフをかき混ぜてできたのが本作というわけだ
結果として見事に70年代の空気をまとった007の物語が出来たわけだ

コネリーはやはり戻ってこなかった
レーゼンビーを呼び戻す案もあったろうが、彼にはボンドとしての品と落ち着きが無かった
本作から起用されたロジャー・ムーアの方が断然良いのは明らかだ
実際にはムーアはコネリーよりも3歳年上とのことだが、見た目の若さがある
その上ユーモアのセンスというか雰囲気が漂っているのが良い

ボンドガールのジェーン・シーモア、黒人向けアクション娯楽映画の傑作110番交差点で存在感を示したヤフェット・コットーらの脇役陣の配役も素晴らしい
空気感が70年代のそれになった

ペッパー保安官が暗くなりすぎないように見事にバランスを取る役割を果たしておりこれも見事な仕事ぶり
(ピンクレディのペッパー警部は彼から来てるのかも?)

二つ目は偉大なるマンネリの肯定
物語の基本構成は過去の作品でうけたシーンをそのまま再構成して基本骨格はマンネリで良いとしたこと
アクションならその切り口を変えれば良いし
敵の殺し屋も新しいキャラクターを出せば良い
ポイントは観客が期待しているものを必ず出す
しかもその上を行く度肝を抜く強烈さでやれば間違い無しに受ける勝利の方程式を照れずに真面目にやることだ

観客の観たいものを観せる
NYのハーレム、ニューオーリンズのジャズ葬式はそれだ

セスナと自動車の追跡シーン、有名なモーターボートの追跡シーンは観客の想像の上を行く凄さ

ブードー教の生け贄シーンや鮫のジーンはスピルバーグによって後年、魔宮の伝説、ジョーズでそのモチーフをオマージュされているほどだ

お約束のラストシーンもこうなると分かっていても、それが良い!偉大なるマンネリに正攻法で真正面から取り組んでおり、その潔さがまた満足感に繋がっている

正にプロフェッショナルが考え抜いて作り上げた娯楽映画の傑作だ
本作があったから21世紀まで続けていけるコンテンツに本シリーズはなり得たのだ

あき240
さん / 2019年3月19日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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