劇場公開日 2023年9月22日

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「食わず嫌いでした。ごめんなさい」女王陛下の007 pipiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5食わず嫌いでした。ごめんなさい

2021年5月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

興奮

え!いいじゃん?
いいじゃん、これ?
今まで、コネリーでもムーアでもないという理由で未視聴でした。
反省です。ジョージ・レーゼンビーにごめんなさい。

世間の評判はアテにならないね。レーゼンビー、いいじゃないですか!
コネリーのボンドをものすご〜く研究していると思う。遠目だと、歩き方や立ち居振る舞いは「コネリーだよ」と言われたら信じちゃうかもです。
ムーアは丸っきり違うけどね。
レーゼンビー、本当によく頑張ったんだろうなぁ・・・。

初っ端から助けた女性に逃げられるボンド。
「前の奴にはこんな事は起こらない」(笑)とボヤくも好感度UP。

シェイク・マティーニ、コルシカ・ブランデー。その道、一流の男達が互いに認め合うさりげないトピック。
こういうシーンって本当に好き♪

アメ車は趣味じゃないけど、クーガー良いですね♪トレーシーによく似合ってる。(クロスオーバーSUVのクーガじゃないよ)
フォードにおけるマーキュリーってのはトヨタにおけるレクサスみたいなものと思えばいいのでしょうかね?
無事に結婚生活が訪れたなら、トレイシーがXR-7、ジェームスがGTってのも仲良くて良さそうですね♪

大空、海中、極東ときまして、今回の見せ場は氷雪です。
スイス、シルトホルン山頂からの大滑降。当然、スキーもオリンピッククラスの007。
そうか、キングスマン2の回転ゴンドラは本作へのオマージュだったのか。
ヒラリー卿やってるときは、オイスター・クロノグラフだぁ!いわゆるプレデイトナってヤツですね。今、世界に幾つくらい残ってるんでしょうね。
紋章院というのは流石、英国ですねー。いずれ、じっくり調べてみようと思いました。

コロンビア大卒、ペンタゴン勤務経験のある頭脳明晰なテリー・サバラス!
事件系作品はお手のもの。
コジャックの前にブロフェルド演ってたんだぁ!
まったく、テリー・サバラスとユル・ブリンナーのおかげで幼少のみぎりから、男性の美醜に頭髪の有無は問わない性格に育ちましたよ(笑)

ドラコ・パパも格好良かったなぁ!
ボンドの義父を張るには、これっくらい胆力ある男でなくちゃいけません(笑)
婿殿の要望にお応えし、「ウイルスだから」と慎重論の大国達を尻目に、人数と機材揃えて、スイス越境して、悪の研究所に殴り込みかけるなんざ、並のパパさんには出来ませんね。娘の幸せも考えてるし、普段は甘いけどやるべき時には毅然と対処するし。

結婚式のシーンは、先の展開が読めるだけに心が痛かったです。ブントが逃げているから当然の帰結ではありますが。
「見たくない。幸せになって欲しい!」と強く願いました。無理な願いでしたが。

公開当時、不人気というのは「ボンド=コネリー」という認識の浸透が強すぎた為じゃないですかねぇ。最初からアウェーの空気だったのでしょうね。
不遇な一作です。
個人的にショーン・コネリーは大好きなのですが、それでも、これまでの007シリーズでは本作が1番好きかもしれません。
プロデューサー、ハリー・サルツマンは原作忠実派。なるほど!うん、自分の好みは完全にこちらの路線です。
今回はQの台詞で締め括りたいと思います。
「キミを見直したよ!」

pipi
アンディ・ロビンソンさんのコメント
2023年9月28日

ネタで恐縮ですが、今作の主題歌サッチモの「愛はすべてを越えて」はアメリカではまるで当たらずシングル・チャート入り無し、サウンドトラックLPも初期作品中最も売れず。
あまりの不人気作ぶりに国内もすぐ廃盤、輸入盤もいつも大量に売れ残ってました(笑)。
また、当時のアメリカ版LPは10〜12曲が慣例(税制上)で少ない。
The BeatlesのLPの例が有名ですが、英国は関係ないので、ゴールドフィンガーは英国盤が数曲多かったりとか。

しかし、後年数回のCD化の際、エクステンティド版というので各作品が一時期大幅増曲されたことがあり、『黄金銃』辺りまで購入。
『女王陛下の007』の21曲版は素晴らしく、現役で愛聴盤です。

DVD収録のジョン・バリーさんのインタビューでの、アームストロング氏との当時の録音時の回想というか思い出というか、亡くなる少し前の時期で健康状態を押しての録音立会の感動エピソードは涙物でした。(にも関わらずヒットに結びつかず...)

『ユア・アイズ・オンリー』では 墓地のトレイシーの墓に献花する際、 墓石「テレサ・ボンド 1943~1969年 ジェームス・ボンドの最愛の妻 / 私たちは世界にいつもいる」とあり、「愛はすべてを越えて」にちなんでです。
『女王陛下の007』との関わりをここまでリアルに言及したのは初めてだったので、ジーンと来ました。
1981年当時は、まだまだ全く 『女王陛下の007』復権どころじゃない状況だったので、相当なファンじゃないと「キョトン?」でしたね(まだレンタルビデオ全盛前だから、そもそも観てもいないから知らない)。

実は同作の監督ジョン・グレン氏が当時から『女王陛下の007』LOVEだったからとのこと。
この映画全体の感じや、トポルの役回りなど、なんだか『女王陛下の007』してません?
私は当時そう感じて、ビックリでした。
なんか、波長が合った感じがした(笑)

『消されたライセンス』も好きな一本。
ここでもフェリックス・ライターの新妻デラがガーター投げつけ、ボンドをからかうと、ボンドは目に見えて辛そうな素振り。ライターのボンドがかつて結婚したことについての説明に「でもそれはずっと前のことだ」と。

イルマ・ブント=イルゼ・ステパットさん『女王陛下の007』公開直後に死去なされたそうです、なんだかなぁと思いました....

アンディ・ロビンソン