ストリート・オブ・ノー・リターン

劇場公開日:

解説

黒人と白人の人種差別荒れ狂う港町の夜の闇、声を失なった元歌手の愛と復讐を描くアクション・メロドラマ。監督は「最前線物語」のサミュエル・フラー、脚本は米ミステリー作家デイヴィッド・グーディスの原作を基に、製作も兼ねるジャック・ブラルとフラーの共同、撮影は「アメリカの夜」のピエール・ウィリアム・グレン、音楽はカール・ハインツ・シェーファーが担当。出演はキース・キャラダイン、ヴァレンティナ・ヴァルガス、ビル・デュークほか。フラーの作詩した主題歌をキャラディン本人が歌っている。

1989年製作/フランス・ポルトガル合作
原題:Street of No Return
配給:ユーロスペース
劇場公開日:1990年8月31日

ストーリー

スラム街の暗闇。妖鬼のような姿をしてさまようマイケル(キース・キャラダイン)の姿があった。人種対立が暴動となって荒れ狂う街を逃げ惑う彼の脳裏に過去が走馬燈のようによぎる--。かつて彼は人気ナンバーワンの歌手だった。しかしシリア(ヴァレンティナ・ヴァルガス)と出会った時から彼の運命は一変する。全てを捨て彼女と逃げようとするマイケル、しかしシリアの情夫、暗黒街のドン・エディ(マルク・ド・ジョンジュ)に捕われ、声を奪われた。その日からマイケルは姿を隠し、今やアル中の浮狼者にまで身を落としているのだった。その夜、マイケルは警官殺しの罪を着せられ連行されるが、脱走し、暴動をおこした一味の後をつけ忍び込んだ先は何とエディの屋敷だった。エディは暴動で荒廃した街を安く買い上げ自らの支配下に置き、更には黒人署長ボレル(ビル・デューク)を追い落とし、意のままになるものに替えることをもくろんでいた。秘密を知ったマイケルはそれをボレルに告げ、警官隊と共にエディの屋敷に乗り込んだ。シリアはボレルの手によって助け出され、マイケルは自らの手でエディにとどめを刺し、復讐を遂げ、再びスラム街に舞い戻る。しかし、その眼の前にシリアの手がやさしく差し出された。声にならない叫びを挙げるマイケル。日の上り始めた街を二人はもたれ合うようにゆっくりと歩き始める。

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