スーパーカー・フェラーリ 青春の暴走

劇場公開日:

解説

あこがれの名車フェラーリを得るため、車泥棒や盗んだ車の二重売りをする若者を描く。製作・監督は「スケアクロウ」のジェリー・シャッツバーグ、脚本はB・J・パーラとマリリン・ゴールディン、原案はB・J・パーラ、撮影はヴィルモス・ジグモンド、音楽はポール・チハラが各々担当。出演はストッカード・チャニング、サム・ウォーターストン、フランクリン・アジャイ、リチャード・ダフティ、ノーマン・マトロックなど。

1976年製作/アメリカ
原題:Sweet Revenge
配給:MGM映画=CIC
劇場公開日:1977年11月26日

ストーリー

街角のショールームに飾られたまっ黒なフェラーリ。バーラ(ストッカード・チャニング)は、ウインドーの外よりこの名車を見つめ、タメ息をつく。「1万8千ドルか。私は絶対あの車を手に入れるワ」。バーラは連れのアンディ(リチャード・ダフティ)に誓った。そしてその日、彼女はガレージよりスポーツカーと鏡を盗み出して、パトカーにつかまる。このバーラの弁護士はル・クラーク(サム・ウォーターストン)。彼はバーラの無邪気さにすっかりだまされ、彼女を弁護し、執行猶予として保釈することに成功。ただし、ル・クラークの監察の下、15日目に出頭するという条件つきで……。出所した彼女を彼は車で送る。なんと、彼女の家はオンボロ小屋。その夜バーラはアンディと共に食事に出た。つまり、スーパー・マーケットで買い物をするふりをしてパクつくことだ。そして、彼女はすばらしい計画を彼に打ち明けた。まず、誰かより200ドル借り、それでポンコツのワーゲンを買い、立派なワーゲンを盗んでナンバー・プレート等をとりかえる。そして、このワーゲンを2千ドル位で売る。さらに、その金でポルシェの譲渡書を5通買い、それからポルシェを盗んで、売り、またその売ったポルシェを盗んで、売る。そうやってフェラーリを買う2万ドルを手に入れる、という計画だ。こうして計画は実行に移される。まず、顔見知りの黒人に200ドルを借りた。そしてアンディと共にワーゲンを手に入れる。と、そんなところへ、バーラの親友で黒人のエドモンド(フランクリン・アジャイ)が、カッコイイ車『スイート・リベンジ』号に乗ってやってくる。彼もバーラの計画の手助けを始めた。立派なワーゲンから、ポルシェへ--、バーラの計画は順調だ。ある日、ル・クラークがバーラを訪ねてくる。明日が出頭の日なのだ。さらに彼は、バーラが前科を数多く持つ不良ということも知っていた。彼は泥棒することをやめさせるが、幼い頃から不幸に育ってきたバーラには、これしかない。「君の刑を軽くするためにも、明日は出頭してくれ」。バーラはうわの空だった。あと少しであのフェラーリが手中に入る。だが、悲劇はやって来た。最後の仕事で、車の競売場よりキャデラックを盗んだ彼女は、アンディがドジをして警察に捕まり、今までのことをゲロしたため、パトカーに追われることになったのだ。そこを助けに出たエドモンド。だが、かれのスイート・リベンジは立体交差をパトカーもろとも墜落してしまった。エドモンドの死。バーラの悲しみは大きかった。今、彼女は自らの愛車となったフェラーリに乗り、早朝の街を疾走し、ル・クラークの家の前に着く。そして、フェラーリに火をつけ、ル・クラークの胸にとびこんだ。「なぜだい?」。「心の精算よ」。今、朝日が昇ろうとしていた。

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