「罪のありかは神だけがご存じだ」処女の泉　みつまる。さんの映画レビュー（感想・評価）

世界屈指の名作だと聞いていたのに、全くの期待はずれでしたね。
神と人間の信仰心をテーマに描いた宗教映画はとかく陰湿で小難しい。
スヴェン・ニクヴィストによる光と影のコントラストが鮮やかな撮影は、神々しいまでに美しかったけど、本作の思想内容の深奥まで本当に理解出来る日本人はキリスト教を信奉している信者たち（左の頬をぶたれたら、黙って右の頬も差し出す人々）だけだと思う。
ある日突然、最愛の娘に降りかかった悲劇を境に、マッチョな父親が一線を超えちゃう点で共通する『プリズナーズ』の方が、遥かに娯楽的要素が高く、万人受けするように思った。
ジャンルが違うと言われるとそれまでだが…。