劇場公開日 1959年2月20日

「魅力のマリア・シェル出演作だけに残念な作品!」縛り首の木 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0魅力のマリア・シェル出演作だけに残念な作品!

2021年4月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

よく解らない映画だったが、
各サイトのレビューの評価が高かったので、
あえて投稿させて頂きました。

前半は、ジョーの秘密は何かとの観点から
興味深く観れたが、その判明後は
疑問の多い展開だった。

ストーリーの骨子は、
人々がゴールドラッシュの狂気の時代、
妻と不倫相手を始末して人間不信にあった
ジョーが、
せっかく手にした膨大な金鉱の権利を
放棄してまで縛り首から救ってくれた
エリザベスとルーンの行動から、
人を愛する気持ちを取り戻すとの話
なのだろうとは思う。

しかし、エリザベスからしてみると、
確かに二度も助けてもらった相手で、
金銭的価値以上の彼の人間性に惹かれた想い
があったとしても、
散々苦労した権利放棄での、
勢いづく群衆の縛り首を止めるシーンが
ストレート過ぎて、
リアリティと演出の上手さを
感じることは出来なかった。

また、ルーンの存在の意味が解らない。
彼がいなくとも話は成立するのでは無いかと
思ってしまったり、
エリザベスが明らかに良い印象を
持っていないフレンチを金採掘の共同事業
の相手に選ぶ必然性が分からない等、
話の構成に理解が及ばない。

更に、ジョーがフレンチを殺害するシーン、
確かにジョーが過去のトラウマから
エリザベスへの恋心を封印していた結果
とは言え、フレンチの殺害まで及ぶだろうか
という疑問が拭えない。
不倫を理由に妻などを殺害した過去を考える
と、実はエリザベスが思い焦がれるには
程遠い残虐性が彼の中にあると想像すると、
ラストシーンの二人の抱擁に
素直に感動は出来ない。
あるいは、監督は二人の想いのズレを
この映画の隠しテーマにしている
のだろうか。

大好きなマリア・シェルが重要な役どころで
出ているだけに私には不徹底さを感じる
残念な作品だった。

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KENZO一級建築士事務所