「警察が一番怖い」サムライ(1967) ビン棒さんの映画レビュー(感想・評価)
警察が一番怖い
原題からして「サムライ」、そして冒頭に「武士道」のテロップ
完全に日本かぶれしたフランス映画だと確信して見始めたが、
1968年という年代も、アランドロンという当時を席巻した大物俳優の主演に 少し意外に感じる。
中身は単純。
○し屋の主人公が巧妙に警察の追及を免れるも、依頼主から消されそうになり、
その報復は果たすものの、自滅の道を選ぶ。
散る美学というものを日本の侍に重ねたように思えなくもない。
この当時の警察の強引さは想像に難くないが、
それでも映画の中の捜査には引く。
家宅侵入、盗聴などの違法捜査に加えて、
証言の誘導、偽証強要、脅迫、違法捜査の見本市と、見込み捜査のためなら何でもやっている。
この映画はたまたま真犯人だが、
「アラン・ドロン主演の「暗黒街の二人」では、
強引な刑事の思い込み捜査の為に 更生していた前科者が破滅に追い込まれる」
というある意味、逆パターンも起こりえる。
意外だったのは、カティ・ロジェ。
本作品で とても雰囲気のある演技をしているのに、その後あまり脚光を浴びていない。
ナタリー・ドロンの演技と比べても決して見劣りしないが、カティ・ロジェが売れなかったのは、やはり肌の色のせいたろうか。
フランスの差別の根深さを感じてしまう。
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