「★ モーガン」コレクター（1997）　みつまる。さんの映画レビュー（感想・評価）

美人女子大生ばかりを次々に誘拐し、収集する犯人・カサノバの異常性がイマイチ真に迫って来なかったのは、サイコ・スリラーものとして、犯人の常人には理解できない屈折した深層心理と、思わず目を背けたくなるような残虐さが欠落していたからだと思う。
意外な真犯人と言うのも、すぐに目星がついちゃったし。
それでいてウィリアム・ワイラー監督の名作『コレクター』と同じタイトルと言うのは余りにも恥知らずではないか（原題は『キス・ザ・ガールズ』）。
モーガン・フリーマンが出てると、我々はつい『セブン』(95)の再来を期待してしまうが、このトホホな内容では、彼の類い希な演技力も全くの宝の持ち腐れ。
犯罪心理学の専門家であるはずの彼が、間抜けな犯人に歩調を合わせるかのように、プロファイリングそっちのけで場当たり的な捜査を繰り返すもんだから冷や汗タラリ。
何だか危なっかしくて、とてもじゃないが冷静な気持ちで見ていられやしない。
初々しいアシュレイ・ジャッド（『ダブル・ジョパディー』）の健康的なお色気だけが目の保養だった１本！