王樣

劇場公開日:

解説

「幻の馬」「山師ボオトラン」の脚色者マルクジルベール・ソーヴァジョンが監督に転じての第二回作品で、ロベール・ド・フレール、G・アルマン・ド・カイヤヴェ、エマニュエル・アレーン合作の喜劇を監督者自ら脚色、台本を執筆した。撮影は「ジブラルタルの鮫」のロベール・ルフェーヴルが指揮し、音楽はジャン・マリオン作曲、歌曲はフリード、ブールテール及びバンデールが作詞作曲した。主演は「沈黙は金」「シュヴァリエの放浪児」のモーリス・シュヴァリエで、「ジブラルタルの鮫」「あらし(1939)」のアニー・デュコオ、我が国には初めての人気女優ソフィー・デマレエ、作家であり俳優であるアルフルレッド・アダン、「しのび泣き」のジャン・ヴァール、ロベール・ミュルゾオ、ロベール・ヴァッティエ等が助演する一九四九年作品である。

1949年製作/100分/フランス
原題:Le Roi
配給:SEF=東宝
劇場公開日:1950年6月17日

ストーリー

女好きで名高いセルダーニユ国の王様ジャン四世陛下が、パリを訪問されたときの昔話。ロンシヤンの競馬場で、王様の素晴しさに熱狂した婦人の一人が、花束を投げたつもりでシュークリームを王様の顔に投げつけた。暗殺かと思われたが、そうと分ると王様は、投げた女を罰しないようにとフランスの総理大臣に云われた。しかしセルダーニュ国と有利な通商條約を結ぶ筈の首相は、王様をシュークリーム犯人ユウユウの夫ブールデイエに、招待させる事に決めた。ユウユウはミュージック・ホールの踊子だった女で、礼儀作法も心得ないので、国立劇場女優テレーズ・マルニックスがお作法を指南することとなった。テレーズは八年前、王様と懇ろにしていた仲なので、万事察しのよい総理大臣の、これもお膳立ての一つだったのである。いよいよ招待宴の夜が来た。パリ郊外のグウヴィルにあるブールデイエ邸は、パリ社交界の花形を集め、破れ返るような賑いだった。王様がお出ましになると、女主人の役目として、ユウユウは王様歓迎の祝辞をテレーズに教わった通り、述べる筈であったが、すっかり上気してしまい、しどろもどろの子供じみた御挨拶となった。その純真さと捨て難い色気が、かえって王様の御意に叶い、王様はユウユウとダンスしながら、彼女に愛の言葉を囁かれた。夜半過ぎ、盛会裡に宴は果て、来客は帰り、一同寝静まった午前三時、寝つかれない王様とユウユウは、腹が減って台所で鉢合せした。シャンパンを飲み、ダンスをし、歌を歌って、すっかり意気投合した二人が、王様の寝室で一夜を明したのは、自然の成り行きであった。翌る朝、すべてを知ったブウルディエが暴れ狂うのを、総理大臣は、折から商工大臣が辞職したので、君を後任の大臣にすると任命したので、忽ちブウルディエはえびす顔となり、王様の御機嫌も斜めならず、何時のまにやらフランスが望む通りの通商條約に署名して王様はその契約書を新商工大臣に手渡された。

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