「【”The Miracle Workerはあの子は光を待っていると言った。”今作は光と聴覚を失った少女ヘレンに、自らも視覚障碍者であるサリヴァン先生が愛と厳しい躾により起きた奇跡を描いた作品である。】」奇跡の人(1962) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”The Miracle Workerはあの子は光を待っていると言った。”今作は光と聴覚を失った少女ヘレンに、自らも視覚障碍者であるサリヴァン先生が愛と厳しい躾により起きた奇跡を描いた作品である。】
<Caution!内容に触れています。>
ー 幼い頃、いわゆる偉人伝でヘレン・ケラーの生涯を綴った子供向けの本を読んだ事がある。勿論、その本の主人公はヘレン・ケラーで、アニー・サリヴァン先生は彼女を支える優しい教師として描かれていたと思う。
だが、今作の主人公は、ヘレン・ケラー(パティ・デューク)ではなく、自身も盲目を克服した女教師アニー・サリヴァン先生(アン・バンクロフト)である。
そこが、画期的な着眼点であるし、彼女がヘレン・ケラーに対し、常に優しい訳ではなく、出会った時には取っ組み合いをし、引っ叩かれたら引っ叩き返す姿にビックリする。
だが、アニー・サリヴァン先生は自らが盲目になった時に覚えた手文字で、ヘレン・ケラーにそれを触らせ、実際にそのもの(最初は人形である。)を触らせて、言葉を教えていく姿は印象的である。
更には高圧的な父、ケラー大尉(ヴィクター・ジョリイ)には一歩も引かず、優しい母ケイティ(インガー・スヴェンソン)に対しても、”貴方達の愛と甘やかしが原因。”と言いきるのである。
夫婦から2週間だけ、離れで暮らす許可を得たアニー・サリヴァン先生は、自らが弟ジミーと暮らした孤児院の生活を朧げな視野の中で視た記憶を時折思い出しながら、根気よく、辛抱強くヘレン・ケラーに文字を教えて行くのである。
<そして、2週間が過ぎ、ヘレンは両親の下に戻る。並べられた御馳走を前に、再び行儀の悪い行いをするヘレン。それに対しアニー・サリヴァン先生は厳しく躾をする。ケラー大尉が先生を叱責すると、それまで静観していた兄ジェームズが初めて父に”貴方はいつも一番自分が偉いと思っているんですか!”と問い、その間にアニー・サリヴァン先生は庭にヘレンを連れ出し、ポンプで汲んだ水を触らせると、ヘレンはサリヴァン先生の手に”water"と書くのである。
それを観たヘレンの両親は彼女を強く抱きしめ、ヘレンも二人に抱き着くのである。
今作は光と聴覚を失った少女ヘレンに、自らも視覚障碍者であるサリヴァン先生が愛と厳しい躾により起きた奇跡を描いた作品なのである。>
The Miracle Workerってサリバン先生の事を指しているのだと、この映画を観るまで知りませんでした。三重苦を抱えそれを克服したヘレン・ケラーの事だと思ってました。
それが「卒業」ではベンジャミンを誘惑するミセス・ロビンソンだもんな。

