かごの中の子供たち

劇場公開日:

解説

パリの荒廃したスラムに住む少年たちの日常を追いながらも、それを抑制の利いたタッチで豊かな情感の中に描き出す、「白い婚礼」のジャン・クロード・ブリソーの監督・脚本作。製作はマルガレット・メネゴス、撮影はロマン・ヴァンダンが担当。出演はヴァンサン・ガスプリッシュ、フランソワ・ネグレほか。

1988年製作/フランス
原題:De Bruit et de fureur
配給:アスキー映画
劇場公開日:1991年6月1日

ストーリー

パリ郊外の集合住宅に移ってきた14才の少年、ブルーノ(ヴァンサン・ガスプリッシュ)の目に映る周囲の現実は非常に息苦しいものだった。荒れ果てたスラム、いつも不在の母。かわりに彼を慰めるものといったら時折幻想の中に訪れる優しげな女のイメージぐらいだった。地区の学校でブルーノは不良少年のジャン・ロジェ(フランソワ・ネグレ)と知り合う。暴力だけを頼りにわがもの顔に闊歩するジャン・ロジェの不良仲間、常識のかけらもなく野卑なジャン・ロジェの父、マルセル(ブリュノ・クレメール)らの発する強烈な磁場にブルーノは否応なく引きつけられてゆく。やがてジャン・ロジェは問題を起こして停学処分を受け、久しぶりに落ち着きを取り戻したブルーノは、彼のことを心配するクラスの美しい女教師(フェビエンヌ・バーブ)から個人教授を受けるようになり、そこにつかの間の安らぎを見出してゆく。が、それを妬んだジャン・ロジェの二人が教師と生徒以上の関係にあるという密告により、個人教授は取り止めさせられ、現実から拒絶されたブルーノは再び幻想の中に閉じ込もり、その中で自ら死を迎える。一方、強権的で暴力的な父に自らを同一化させながらも、父が家を出た堅実な兄にばかり関心を示すのに複雑なコンプレックスを寄せていたジャン・ロジェはブルーノの死を契機に感情を爆発させ、父を撃ち殺してしまう。少年鑑別所に送られたジャン・ロジェの手紙が学校を退任した女教師のもとに届けられた。

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