外人部隊(1933)のレビュー・感想・評価

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2.0「モロッコ」の方がまだ納得感が…

2021年4月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

この作品の4年前に製作された
ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督の
「モロッコ」と同じ場所、同じ外人部隊との
似た設定だったことから鑑賞。
デュヴィヴィエ作品の中でも一番好きな
「舞踏会の手帖」のマリー・ベルが主役の一人
だったので期待も膨らんだ。

果たして、フローランスとイルマは同一人物
なのかと想像を巡らしながらの鑑賞だった
ので集中出来たまま時間は推移したが、
しかし、どうしても完成度が高い映画とは
思えなかった。

多分に、ピエールは再会したフローランスの
自分への心情は
金があってのことだったとの確証と、
イルマへの想いも単にフローランスに
似ていたからとの気付きから、
女性への邪念を捨てての死への従軍へ、
と言いたいのだろうが、
そのための彼の心象描写が曖昧で
不充分過ぎないたろうか。

イルマの頭の傷で記憶がはっきりしない
との設定の中、
一夜の後の彼女の涙や
何故か知っている車のカラー等、
二人が同一人物ではないかと
観客を混乱させるだけの
狡猾描写が続き過ぎる。
結局は事実では無いのだから、
本来はピエールの心情描写の方に
ウエイトを置くべきではないのか。

主人公の異性への心情が
自然に感じられる分、
「モロッコ」のストーリーの方が腑に落ちた。

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