オリーヴの下に平和はない

劇場公開日:

解説

「にがい米」のジュゼッペ・デ・サンティスが監督する彼の第三作で一九五〇年作品。彼と「にがい米」のジャンニ・プッチーニが物語を書卸し、この二人にリベロ・デ・リベロ、カルロ・リッツァーニが加わって脚本を書いた。撮影はピエロ・ポルタルーピ(「恋愛前奏曲」)、音楽は「にがい米」のゴッフレード・ペトラッシの担当。「嘆きのテレーズ」のラフ・ヴァローネに、日本初見参のルチア・ボゼーが主演し、「にがい米」のマリア・グラツィア・フランチャと「荒野の抱擁」のフォルコ・ルリらが共演する。

1950年製作/イタリア
原題:Non c'e pace tra gli ulivi
配給:イタリフィルム=松竹
劇場公開日:1954年3月

ストーリー

中部イタリアの丘陵地帯チョチャリア。大戦が終って青年フランチェスコ(ラフ・ヴァローネ)はここに復員して来たが、応召前彼の所有だった羊の群は村のボス、ボンフィリオ(フォルコ・ルリ)にすべて奪われていた。村人達はボンフィリオの威勢をおそれてフランチェスコのために有利な証言も出来ず、しかも彼の昔の恋人ルチア(ルチア・ボゼー)もまた無理にボンフィリオの婚約者にさせられてる有様である。その婚約披露の晩、フランチェスコは一家をあげて羊を奪い返そうとボンフィリオの牧場を襲った。しかし逃げおくれた妹のマリア(マリア・グラツィア・フランチャ)はボンフィリオに犯され女心のはかなさからこの男を忘れられなくなってしまった。翌朝フランチェスコは逮捕され、公判が開かれるとルチアさえ彼に不利な証言をした。両親から口止めされたためだった。フランチェスコは有罪を宣告された。ボンフィリオはこの地一帯の牧場を次々と手に入れ、更にルチアとの結婚を強行しようとしたが、これはマリアの出現で不成功に終った。ルチアは脱獄して山にかくれたフランチェスコの許へ走った。復讐の機を狙うフランチェスコに警察の手は伸びた。が、彼はルチアと共に包囲を破り、ボンフィリオの家に迫って行った。ボンフィリオはマリアの手を執って逃れ、牧人達に助けを求めたが、彼に対する反感をつのらせていた村人達は扉を閉してレジスタンスを試みた。逃げまどう彼は逆上のあまりマリアをしめ殺し、やがて追い迫ったフランチェスコに押しつめられて、弾丸をうちつくして崖上から転落し果てた。復讐を終えたフランチェスコは、村人の讃歎の眼に送られつつ縛についた。

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映画レビュー

3.5チョチャリヤの「サルタレッロ」

2023年3月31日
Androidアプリから投稿

1950年のネオリアリズム映画

戦後の貧困下での正義の話で
戦争に行っているうちに彼女も羊も奪われ
反撃する男をラフ・ヴァローネが演じている

私は同年のアントニオーニ監督の「愛と殺意」で
若い頃のルチア・ボゼーの美貌に感心し
この映画を観ることに
美女を輩出したことで有名な1947年のミスイタリア大会の
優勝者の輝きが感じられます
にがい米のマンガーノの続投はかなわず
代わりの登場ですが…
(やや都会的ではあるかな)

彼女の羊飼いへの合図や
オリーブ摘みの女性たちとのダンスなど面白かった
(サルタレッロ踊り)

そしてイタリアの男性は(今でも)母親には弱いのでしょうか

チョチャリヤは映画「ふたりの女」の疎開先のようでした
蹂躙され続けた地域(戦争、侵略、ペスト…)だけに
暗い嫉妬深さもあると語っていますね
恐怖体験と貧困により風見鶏のように物事を決定してしまう
土地柄になってしまった、とも指摘しているような…
半島という難しい立地も感じられる

即興で踊り、歌う姿はとても明るく見えるのだけど

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jarinkochie
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