錨を上げて

劇場公開日:

解説

「歌劇王カルーソ」のジョー・パスターナクが製作し、「血闘」のジョージ・シドニーが監督したテクニカラーのミュージカル1945年作品。ナタリー・マーシンのストーリーにヒントを得て「下町天国」のイソベル・レナートが脚本を書き、音楽監督はジョージー・ストール(アカデミー賞獲得)、撮影は「三銃士(1948)」のロバート・プランクとチャールズ・P・ボイルの共同。主演は「踊る大紐育」のフランク・シナトラ、「雨に唄えば」のジーン・ケリイ、「ショウ・ボート(1951)」のキャスリン・グレイソンの3人で、ピアニストのホセ・イタービ「百万人の音楽」、「印度の放浪児」のディーン・ストックウェル、パメラ・ブリットン(初出演)、“ラグス”・ラグランド、ビリイ・ギルバート、歌手カルロス・ラミレスらが助演。

1945年製作/アメリカ
原題:Anchors Aweigh
配給:MGM日本支社
劇場公開日:1953年6月5日

ストーリー

勲功により4日間の特別休暇を与えられた2人の水兵、クラレンス・ドゥーリッツル(フランク・シナトラ)とジョゼフ・ブラディ(ジーン・ケリイ)は、喜び勇んでハリウッドに向かった。陽気なジョゼフはそこで美人の女友達ローラと楽しく過ごそうと大はしゃぎ。はにかみ屋のクラレンスも今度はジョゼフを見習っていい女友達をみつけようと思った。夜更けてハリウッドに着いた2人は、海軍狂の少年ドナルド(ディーン・ストックウェル)に会い、少年の唯一の身寄りである叔母のスーザン(キャスリン・グレイソン)と知り合った。彼女は映画のエキストラだったが、ホセ・イタービの指揮で歌うカルロスの歌に聞き惚れ、自分もイトゥルビのような音楽家の元で歌を唄いたいと夢みていた。クラレンスはスーザンに一目惚れしたが、打ち明けることができず、ジョゼフはローラとデイトの約束をしたが、時間を間違えてふられる始末。スーザンに惹かれたクラレンスとジョゼフは彼女の所に訪れて来た男を追い返したが、この男、彼女をイトゥルビに紹介してくれるはずになっていたので、スーザンは全く悲しんでしまった。窮余の一策、ジョゼフは、クラレンスがイトゥルビと知り合いだと、彼女に嘘をついてしまった。いつの間にかジョゼフはスーザンを愛しはじめ、彼女も彼に惹かれるのだった。都合よく、クラレンスはほかの娘と親しくなった。ジョゼフは彼女についた嘘を何とか本物にしようと、クラレンスと一緒にイトゥルビを追い回したが、遂々うまくいかず、休暇も終わって艦に戻っていった。スーザンはイトゥルビの元を訪れ、嘘と分かって全く沈んでしまったが、同情したイトゥルビは彼女のためにテストをしてやった。帰艦して悄然としていたジョゼフとクラレンスは、艦のホールで、海軍によって発見された新進歌手として脚光を浴びるスーザンの姿に、驚きと喜びの目を見張った。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第18回 アカデミー賞(1946年)

受賞

作曲賞(ミュージカル) ジョージ・ストール

ノミネート

作品賞  
男優賞 ジーン・ケリー
撮影賞(カラー) ロバート・プランク チャールズ・P・ボイル
主題歌賞
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映画レビュー

4.0ジーン・ケリーとキャスリン・グレイソンの出世作

2021年2月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1945年公開、カラー作品
まず驚くのはタイトルバック
ジーン・ケリーの名前が上から三つ目!
フランク・シナトラ、キャスリン・グレイソンの順に来てその下にあるのです
この当時は、まだその程度の扱いだったわけです
本作の後、彼は出演者の一番上に来るようになり
1949年の「踊る大紐育」では監督までするようになります
映画遺産とも言える「巴里のアメリカ人」も「雨に唄えば」も本作の成功があったからこそです

フランク・シナトラは当時もう30歳ですが、20歳そこそこの頼りない坊やとしての役です
この役柄は「私を野球へつれてって」や「踊る大紐育」でも同じ
細くて小柄なところがそのようにも十分見えるので海外の人からすればカワイイ!と感じるのだと思います
シナトラで思い浮かべる日本人のイメージとはかなり違うものです

ヒロインのキャスリン・グレイソンもこの映画で出世したといえるでしょう
1951年のミュージカル映画の金字塔「ショウボート」に抜擢されるのですから
因みに監督は本作と同じジョージ・シドニーです

ストーリーは休暇をもらった水兵達が遊びに繰り出したハリウッドで大騒動の巻というもの
大したお話ではありません

冒頭の空母の飛行甲板で行われている勲章の授与式で海軍軍楽隊の指揮棒を振るのはホセ・イトゥルビで本人が本人役で出演しています
スペイン出身の有名な指揮者で、ハリウッドでも劇中にあるようにクラシックの要素を取り入れた音楽を取り入れた仕事をしていました

143分と、若干長くてちょとダレます
90分に納められなくもないと思います

とは言え本作は数々のアカデミー賞の賞やノミネートに選ばれています

冒頭のタイトル名の曲はこの映画の主題歌ですが、元々は1906年に作曲された海軍兵学校のフットボールの応援歌
それがいつしか事実上の海軍公式のマーチになったもの

別段、原題もこの曲にも意味はありません
単に激しい戦争が終わって、海軍さんありがとう!お疲れ様でした!という映画だと分かり易い表現をしているというぐらいのことです
歌やダンス、ジェリーマウスとの合成ダンスと見所は沢山です
でもミュージカルを観た!という満足感はMGM作品であっても不足しています

それを観たいなら1949年の「踊る大紐育」です
是非とも本作とセットでご覧下さい

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あき240

4.0人間は、運命のイタズラに弱い

2013年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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shimo
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