アンゲロス

劇場公開日:

解説

アテネ郊外の貧しい家庭に育ったホモセクシュアルの青年の、愛とその悲劇的な結末を描く。監督・脚本は本作が長編第一作になるイエオルギオス・カタクーズィノス、撮影はタソス・アレクサキス、音楽はスタマティス・スパヌーダキスが担当。出演はミカエル・マニアティスほか。

1982年製作/ギリシャ
原題:Angel ΑΓΓΕΛΟΣ
配給:俳優座シネマテン
劇場公開日:1989年5月30日

ストーリー

アテネ郊外の貧しい家庭に育った、繊細なホモセクシュアルの青年アンゲロス(ミカエル・マニアティス)は、ある日水兵のミカイル(ディオニシス・クサンソス)と出会い恋におち、彼に誘われるまま、二人は愛の生活を始めるようになる。アル中の父、働くことに疲れ切った母(カテリーナ・ヘルミ)、不治の病を背負った妹、といった孤独な家庭の中で育ったアンゲロスは、次第にミカイルとの愛に傾倒してゆくが、彼はその道では悪名高いジゴロであった。やがてアンゲロスは、ミカイルの強要するまま、女装して街に立ち、身を売るようになる。昼は兵士、夜は男娼という彼の生活も、やがて警察を通じて家族に知られてしまう。嘆きと失望のあまり、父親は家族の目の前で自殺する。最低の人生を送っているのにもかかわらず、彼にとって息子が同性愛であることは死ぬほど恥かしいことであったのだ。思わぬ成り行きに絶望しながらも、ミカイルとの絆を断ち難いアンゲロスは、再び夜の街に出た。しかしある夜、トラックの運転手に乱暴され、意識を失ってゴミの山に捨てられるという目に会った時、彼は初めて恋人の非情さと貪欲さに気づいた。そして怒りを爆発させたアンゲロスは、ナイフを握り、眠っているミカイルを何度も刺し、殺人という形でこの愛を終結させるのだった。

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