ある老女の物語

劇場公開日:

解説

快活でユーモアあふれる78歳の老女と、若い地域看護婦との友情を通して、老人と介護する者の幸福な関係を描いたヒューマン・ドラマ。監督・脚本は本作が日本初紹介のポール・コックス。主演はオーストラリアのヴェテラン女優シーラ・フローランス。

1991年製作/96分/オーストラリア
原題:A Woman's Tale
配給:岩波ホール
劇場公開日:1997年9月27日

ストーリー

オーストラリア、メルボルン。78歳のマーサ(シーラ・フローランス)は賃家のニ階に小鳥のジーザスと黒猫のサムと一緒に暮らしている。マーサの親友は地域看護婦のアンナ(ゴーシャ・ドブロヴォルスカ)。彼女は結婚しているが、ピーター(アーネスト・グレイ)と愛し合っており、ピーターにも家庭がある。マーサの部屋を借りて、2人は会っているのだ。マーサの唯一の後悔は、第二次大戦で子供を失ったことだ。マーサは浴室で水滴の音に耳を傾けていると、爆弾の音と共にこの悲しい記憶を思い出す。ひとり息子のジョナサン(クリス・ヘイウッド)は、妻の反対もあって母マーサと一緒には暮らせないのだが、長生きして欲しい気持ちから老人ホームに入ったほうがいいと説得に来る。ホームに入ることをマーサは望まなく、アンナも反対する。マーサの下の階には、アンナが面倒をみるビリーがいる。ビリーはマーサとは違い、もうすべてを自分でやることはできない。鍵もマーサが開けてやらなければならない。アンナの運転する車で滝を見に出かけたり、マーサの家で食事会をしたりと楽しい時を過ごしつつ、確実に時は過ぎて行く。また辛い戦争の記憶が蘇ってくる。やがてビリーが亡くなる。教会でのお決まり通りの言葉が牧師の口から語られる。そして面倒を見ようともしなかったビリーの家族を前に、マーサは怒る。ビリーの荷物を持ち出す家族に、マーサは記念にレコードプレイヤーをもらう。ある晩、マーサはガスだけでなくバスタブのお湯と水も出しっぱなしにして、物思いに耽っていた。ふと気付くと鍋が焦げついている。慌てて浴室へ急ぐ途中に転倒して、肋骨を折ってしまう。下の階の男が水漏れのために窓から入ってきてくれて、マーサは一命を取り止めた。病院に入院するマーサ。アンナはマーサに、彼女が癌でもはや助からないことを涙で告げる。アンナはジョナサンにも話し、マーサを彼女の家に戻す。路面電車の走る音の聞こえるわが家で、マーサはアンナに見守られて静かに息を引き取る。

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