劇場公開日 1978年1月14日

「ウディ・アレンの代表作」アニー・ホール pullusさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ウディ・アレンの代表作

2014年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

知的

今年の5月10日にウディ・アレンの新作『ブルー・ジャスミン』が公開される。

彼の新作公開記念に70年代に撮られた彼の代表作である『アニー・ホール』を見直してみた。
80歳を目前にした彼になるは生涯に50本以上(聞くところによると70本とか)の映画を撮っているので、アレンの新作と聞くとまたかと思われる今日この頃であるが、『アニー・ホール』はアレンファンも認める代表作であると言えよう。

彼の作品をすべて鑑賞したわけではないが、おそらく50本以上も撮っていたら嫌でも作品の傾向は偏ってくるだろう。現に実際に鑑賞したいくつかの作品はウディ・アレン独特の言い回しや、ギャグセンス、テンポなどが染み付いていた。そんな彼の人生観や人間像が如実に現れているのが、この『アニー・ホール』である。

主演はウディ・アレン。彼は脚本も監督もこの作品で務めている。いわば、チャップリン方式の映画なのだ。
しかも、この作品はヒロインであるダイアン・キートンとの実際の恋愛を、等身大として描いている。だから会話もテンポも自然体そのもの。よくある恋愛映画のジャンルとしてはくくりきれない、独特の作品を生み出したのだ。

ウディ・アレンの独特のギャクセンス、言い回しに慣れていない人はあまり感情移入ができないかもしれない(個人的な感想をいうと、彼の話し方には不快感がある)。そういう人に勧めたいのは吹き替えである。母国語で聞くと理解できる台詞もあるし、日本語で不自然がないように言葉を選ぶ吹き替えの妙も覗かせる。
アレン役の羽佐間道夫さんの声は落ち着いていて、時にユーモラスなので、愛着が湧くこと間違いない。

来る5月の『ブルー・ジャスミン』にそなえて、ウディ・アレンの代表作を鑑賞しておくと、また違った見方ができるかも知れない。

pullus