アスファルト(1929)のレビュー・感想・評価

全1件を表示

4.0ドイツ・サイレント映画の律儀さと妖艶ベティ・アマンの魅力

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ドイツ・サイレント映画の秀作。題名のアスファルト(オランダ語)は、物語に密接な関連性はなく、当時の大都会ベルリンの雰囲気を象徴するに止まる。プロローグは綺麗に整備されたアスファルトと走るモダンな自動車が、凝った画面構成で記録映画の様に撮られている。ストーリーは単純だが、交通整理の仕事帰りの謹厳実直な警察官アルバートが、宝石泥棒エルザの罪を見逃すことからドラマが始まる。将来のある青年が女性の色香に迷い道を踏み外す教訓映画の側面を持つも、妖艶なベティ・アマン演ずるエルザの悪女になり切れぬヒロインが物語を面白くさせている。アルバートの家族描写に、当時の実直なドイツ人に求められた善良な市民の理想像があるように感じる。古典的で破綻のない、それでいてドラマチックな結末が好印象を抱かせるドイツ映画の逸品。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Gustav