赤いシュート

劇場公開日:

解説

交通事故で記憶を失った若き共産党指導者が、自己を再発見していく姿を描いた人間ドラマ。監督・製作・脚本は「僕のビアンカ」のナンニ・モレッティ、製作はアンジェロ・バルバガッロ、撮影は「太陽は夜も輝く」のジュゼッペ・ランチ、音楽は「ボイス・オブ・ムーン」のニコラ・ピオヴァーニが担当。なお劇中、モレッティ監督の初期8ミリ短編La Sconfittaと、テレビ・オンエアの形でデイヴィッド・リーン監督の「ドクトル・ジバゴ」が挿入されている。

1989年製作/イタリア・フランス合作
原題:Palombella Rossa
配給:ゼアリズ
劇場公開日:1992年10月24日

ストーリー

イタリア共産党の若き指導者で、名門水球チームの選手でもあるミケーレ・アピチェッラ(ナンニ・モレッティ)は、シチリアで開催される水球選手権試合に出場するため、車を走らせている途中交通事故に遭い、軽い記憶喪失に陥ってしまう。子供の頃の記憶以外は不鮮明な認識しかない状態のミケーレに、水球試合の行われているプールで多くの人物が一方的に語りかけてくる。共産党の路線変更について質問する女性記者(マリエッラ・ヴァレンティーニ)、学生運動を回想する友人、カトリックの神学者、そして感情をむき出しにするチームのコーチ(シルヴィオ・オルランド)…。ミケーレのチームが劣勢のまま試合は進む。場内のカフェテリアのテレビでは「ドクトル・ジバゴ」が放映されている。次第に記憶が蘇ってくるミケーレ。テレビの政治討論会、学生運動家としての若き日々、そして優しかった母親…。テレビの映画が終わりに近づくと、場内すべての人々がテレビの前に集まってくる。皆が見守る中、悲劇的なラストを迎えるが、劇中のジバゴに気づかないララに向かって「気づけ!」と叫ぶミケーレ。映画が終わって再開された試合は白熱し、チームの勝敗を決するファウル・シュートがミケーレに託される。左右どちらを狙うか迷うミケーレは、シュートを放つ瞬間に気が変わり、結局失敗する。試合の後すべての記憶を取り戻し、娘ヴァレンティーナ(アーシア・アルジェント)と帰途につくミケーレだったが、再び事故に遭い2人の乗った車は横転する。集まってきた人々と、車から出てきた2人の背後にハリボテの太陽が昇る。その太陽をつかもうとするかのように手を伸ばす人々の中に、幼年時代のミケーレの姿があった。

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