青髭8人目の妻のレビュー・感想・評価

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3.0良く練られた脚本に裏打ちされたものの…

2023年6月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

数年前までは、名前すら知ることのなかった
エルンスト・ルビッチは、彼の
「私の殺した男」や「生きるべきか死ぬべきか」を観て、シリアス・コメディ両分野で
類い希なる才能を発揮出来る監督と
認識した一人だ。

ところで、この作品で、
ゲーリー・クーパーと共に主演した
クローデット・コルベールは、
この4年前、「或る夜の出来事」「クレオパトラ」
「模倣の人生」の話題作に立て続けに主演し、「或る夜…」ではアカデミー主演女優賞を
受賞していた。
この作品も彼女が最も輝いていた頃の
作品の一つなのだろう。

さて、この映画、
ビリー・ワイルダーの脚本力によるものか、
序盤のパジャマを巡る展開には、
大人のウィットに富んだ見事なコメディ性に
浸ったが、
その後の展開も細やかで良く練られた脚本に
裏打ちされてはいたものの、
たたみ込むようにノンストップで進み過ぎる
構成のためか、ヒロインの、
一目惚れ→財産目当ての片棒→愛情への昇華
という彼女の心象の推移が
今一つ不明確に感じ、
逆説的な言い方になるが、
そのスピード感が平板さを招いてしまった
ような印象を受けたことは
ルビッチ作品として残念だった。

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