青い凧

劇場公開日:

解説

50年代の毛沢東体制下の中国を舞台に描いた一編。中国国内では上映されず、93年東京国際映画祭で、東京グランプリ、最優秀女優賞を受賞。監督は「狩り場の掟」「盗馬賊」の田壮壮。脚本は「血祭りの朝」の肖矛、撮影は「盗馬賊」の候咏、美術は張先得がそれぞれ担当。日本から音楽で大友良英(初の映画音楽)、ミキシングで「戯夢人生」の神保小四郎が参加。主演は「古井戸」の呂麗萍、共演は「乳泉村の子」のプー・ツンシンほか。

1993年製作/136分/中国
原題:The Blue Kite 藍風箏
配給:ユーロスペース
劇場公開日:1994年2月26日

ストーリー

図書館司書の少竜(プー・ツンシン)と女性教師の樹娼(呂麗萍)は、新しい共産党政府の始動の下、質素な結婚式を挙げた。2人は席上、毛沢東主席の肖像に敬礼し、革命歌を歌った。一子、鉄頭が生まれ、3人は小さな部屋を借りて幕らし始める。成長した鉄頭は、父と一緒にお気に入りの青い凧を揚げるのを好んだ。57年、毛主席は、人々に党や官僚主義に対する批判を述べるように奨励する整風運動を推進する。だが、後に主席は整風運動で党批判を行った者を罰するよう命令を下す。少竜は右派のレッテルを貼られ、強制労働キヤンプに送られる。樹娼の弟の美大生・樹岩(ネ者栓忠)は僻地へと追放され、母の兄・樹生(宗平)の恋人・朱瑛(張弘)も反革命分子であるとして投獄された。そんなある日、少竜が伐採事故で死亡し、彼を密告した同僚の李国棟(李雪健)は、自責の念から母子の面倒を見ることに一生を捧げる。李と樹娼はやがて桔婚し、鉄頭継父が好きになる。だが、李は突然に病死、鉄頭の将来を案じた母は、姉・樹英(宗晩英)が紹介した党の幹部である老呉(郭宝昌)と3度目の、そして愛のない結婚に踏み切る。鉄頭は、新しい継父が好きになれず反抗ばかりしていた。66年、文化大革命が始まった。老呉は、樹娼と鉄頭のために離婚することを主張する。彼を愛する樹娼は仕方なく受け入れる。ある日、鉄頭をつれて老呉の様子を見に家に戻った樹娼は、彼が紅衛兵の暴力を受けているところに遭遇する。老呉を連行しないよう必死で懇願する母を突き飛ばす紅衛兵に、猛然と飛びかかる鉄頭。袋叩きにあい、失神から気づいた鉄頭の頭上には、糸が切れ枯れ木に吊り下がった青い凧が、力なく風に揺れていた。

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