劇場公開日 1999年7月31日

「大人のメリーゴーランド。」アイズ ワイド シャット とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5大人のメリーゴーランド。

2021年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

知的

難しい

場末のサーカス、移動遊園地…。
どこか怪しげで、でも楽しそうで、つい誘われてしまう世界。

”恋”が”愛”に変わり始める頃の夫婦。
一本気で、仕事にやりがいを感じ、さらなるアッパーを狙う夫。
専業主婦としての幸せは感じつつも、”女”としての自分を確かめたくもなる妻。
そんな二人の心の交差点。

そこに怪しげな儀式が加わり、サスペンス風な味わいも…。
二人の絆がどうなってしまうのか。どころでなく、命の危険まで?

幽霊の正体見たり枯れ尾花なのか、見ざる聞かざる言わざる案件なのか。

確かにR-18指定も納得の場面あり。
 ニッコールさんはやたらにポルノチック。媚態を尽くし、あらゆる手管で、監督を?観客を誘っているよう。狙いを定められた的になったように、その魅惑から逃れられない。シチュエーションが家庭だし、見ている設定が夫のビルだから妻に見えるが、まるで娼婦の如く。
 それなのに、その他のR-18相当の場面でさえ、ちっとも官能的でない。
 トム様も、他の映画(『ファーム』や『バニラスカイ』等等)でのセクシーさに比べたら…。一本気で唐変木な男を演じているから?
 監督は、演者の演じ方を、監督の思うとおりに演じるように細かく指示を出し、撮り直しされると聞く。『博士の異常な愛情 ~』でジョージ・C・スコット氏にも何度もやり直しさせたと読んだ。そうすると、この映画でのトム様の演技も監督の指示にがんじがらめになって、自由に演じさせてもらえなかったのだろうか?だから、まったくセクシーでない?
 天才と称賛される監督だけれど、実はロマンチックな場面は苦手なのかな?

キューブリック監督作品鑑賞三作目(『2001年宇宙の旅』『博士の異常な愛情 ~』)の私がこんなことを言うと、監督信者から非難されそうだが、
監督の性癖が露呈しているとしてしか思えない。

 3度出てくるバスルーム(洗面所)の場面なんて、「家庭のリアルを切り取っている」という人もいるが、映画の筋からは必要不可欠な場面ではない。それでも映像化したいのは、キッドマンさんの、そういう普通なら他人にはさらさない場面を、監督が見たかったから映像として撮ったように見えてしまう。
 キッドマンさんに関しては美しくて眼福だけれど、そういう、このシーン必要?というシーンだらけ。
 白黒のベッドシーンも、映画に採用されなかったものも含めて、執拗に撮ったと、ある本で読んだ。まるで覗き穴から見ているようなシーン。
 窃視症?
 不愉快になる…。

 そして、監督が言ったとされる言葉。
 「この映画は最高傑作」「この映画は〇〇がダメにした」
 『2001年宇宙の旅』の時にも言っていなかったっけ?〇〇にはデュリア氏の名前が入っていたようなことをどこかで読んだ。さすがに『博士の異常な愛情』では、相手が大物過ぎて、「〇〇がだめにした」なんて言えないだろうが。
 肥大化した自己と、失敗した時の責任を取りたくなくて誰かに押し付けたい、胆のちっささ。
 ある意味、完璧主義の、孤高の天才であればこそなのだろうが。

テーマや筋は興味深い。
理解が一筋縄ではいかないところも、後を引き、何度も鑑賞しなおしたくなる。
でも、『2001年宇宙の旅』や『博士の異常な愛情』に比べると、映画のための映像より、監督の性癖による映像が前面に出てしまったような気がして。
う~ん…。満点にはならない。

それでも、一本気な夫の暴走物語として、トム様から目が離せない。さすがだ。

<蛇足>
アラン・カミング氏は、この頃からルディだった。

とみいじょん
ゆ~きちさんのコメント
2024年4月18日

あの作品のオファーを受けなければ離婚しなかったのかと思うと、残念ですね。ペネロペとかケイティよりも、やっぱり箔が違うんですよね。11年続いたのに、確かに公開2年後に離婚とは😭…

ゆ~きち
ゆ~きちさんのコメント
2024年4月18日

トム様はキューブリック作品を熱望してたんですね。でも自分はほぼ脱がず、妻ばっかり全裸
シーンとは...W

そりゃ監督は仕上がりに納得いかないでしょうね。ただ、トム様にあの役は、キャラに合わないんですよね。😩

ゆ~きち
ゆ~きちさんのコメント
2024年4月18日

とみいじょんさん、ありがとうございました。

トム様は何度も離婚してるし、きっと小室哲哉並みに結婚不適合者だと思いますが、英語サイトでもこの作品の裏話的な解説がたくさんあったので、翻訳サイトにかけてゆっくり読みたいですwww

ゆ~きち