劇場公開日 1992年5月9日

「【早熟な仏蘭西少女が富裕な中国青年との甘く爛れた愛欲の関係の中で、本当の愛に目覚めていく様を静なトーンで描き出した作品。】」愛人 ラマン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【早熟な仏蘭西少女が富裕な中国青年との甘く爛れた愛欲の関係の中で、本当の愛に目覚めていく様を静なトーンで描き出した作品。】

2020年1月2日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

 何だか、凄いタイトルになってしまったが、お許し願いたい。
 鑑賞当時の感想をそのまま綴っただけである。

 舞台は、1929年、仏蘭西植民地、インドシナ(現ヴェトナム)。

 メコン河を渡る舟から降りた少女は絹のドレスを身に纏い、金ラメのハイヒールに男物の帽子を被っている。深紅の口紅。
 けれど華奢な身体のアンバランスさが不思議なアンニュイさを醸し出している。
 (うーむ、本当に15歳か・・?)

 黒いリムジンの後部座席に乗る端正な顔だちの若い中国人風の男が少女を見つめている。車を降りて少女に歩み寄る。少女に煙草を差し出す指が緊張のためか震えている。

 青年は、少女にサイゴンまで送らせていただけないかと申し出でる。少女は承知し、その日から毎日、少女は男のリムジンで学校まで送り迎えをしてもらう・・・。

<この、冒頭のワンシーンだけで少女と男の今後の関係性が分かる。恐るべし、仏蘭西の早熟な少女・・・。>

 少女は男に抱かれながら、”貴方を愛していない、これからもずっと・・”と囁く。

 植民地行政に騙され、耕作不能な土地を買ってしまった少女の母。少女はお金を貰うために男の愛人になったのだ・・。

 少女が家族とともに仏蘭西に帰国することが決まった際、船上で黒いリムジンが目に入る。
 この時の少女の表情・・・。

<ジャンヌ・モローのナレーションも艶やかな、マルグリット・デュラスが自らの体験を著した「L'amant」をジャン・ジャック・アノー監督が鮮やかに描いた作品。>

<1992年5月10日 劇場にて鑑賞>

NOBU