劇場公開日 2006年1月21日

あおげば尊しのレビュー・感想・評価

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5.0暴れん坊の新たなる境地

2011年8月20日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

老人介護や学級崩壊etc.様々な問題に悩みやがらも、答えを見出そうとする主人公を、あの武闘派演出家・テリー伊藤が好演。

ビートたけしのお笑いウルトラクイズが未だに強烈な私は、ダチョウ倶楽部達の乗ったバスを海の底へ沈めるが如く、途中で、
「テメェ、じじぃ!早く死ね!!」
とブチキレやしないだろうか?
とドキドキしながら観ていた。

しかし、最後まで物静かで人格のある聖職者を演じており、
“役者・テリー伊藤”
という新境地を垣間見れて面白い。

深刻なテーマを扱っているだけあって、取っ付きにくい部分も若干有ったけど、日頃の職場でのトラブルや私自身もやがて両親の介護をしなければならない事など、自分の境遇に重ね合わさり、胸が熱くなる。

担任のクラスに、死体に興味があり、心に陰を持つ生徒がいて、彼を病床の父親の介助をさせる事で、死ではなく生きる意味を教える場面は、特に感慨深い。

私は、自分の親父とは色々あって、心を開いて接する事が、どうしてもできない。

一つ一つの言動に苛立ちが積もってしまうのだ。

でも、この映画で、ふれあうヒントを漠然とだが、得たような気がする。

ありがとう、
テリー先生。

では最後に短歌を一首

『父眠る 棺見送る 春の歌 風より響く あおげば尊し』
by全竜

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全竜