PEEP "TV" SHOW

劇場公開日:

解説

ドキュメンタリー「新しい神様」で注目を浴びた土屋豊監督が、”平坦な戦場としての日常”を浮かび上がらせる異色ドラマ。盗撮魔の男とゴスロリ少女の交流を通して、日常に潜む様々な病巣を掬い取る。「新しい神様」で取材対象となった雨宮処凛が、監督と共同で脚本を執筆。

2003年製作/98分/日本
配給:スローラーナー
劇場公開日:2005年3月26日

ストーリー

長谷川(長谷川貴之)は、真夏の東京・渋谷の駅前交差点でシャツを頭から被って座り込んでいる。足元に超小型ピンホールカメラを仕掛け、通行人の脚をモニターしているのだ。彼は、9.11の同時多発テロ以降、自らのリアリティの感覚が倒錯してしまった盗撮魔だ。長谷川は、2002年8月15日(敗戦記念日)に「PEEP “TV” SHOW」というインターネット・サイトを開設する。そのサイトでは、彼の盗撮した映像が公開されると同時に、9.11テロの実行犯とされるモハメド・アタのWTC突入までの行動が、長谷川によってカウントダウンされている。渋谷駅前交差点で盗撮を続ける長谷川を、萌(ゲッチョフ・詩)が偶然、発見する。彼女も自分自身の生きてる実感、リアリティがつかめないまま、ゴスロリ(ゴシック&ロリータ)と呼ばれるファッションを身にまとって空虚な日常を送っていた。萌をはじめ、インターネット・サイト「PEEP “TV” SHOW」には、メディアに覆われた情報資本主義社会の中で壊れかけている様々な観客が集まった。コンビニにしか出かけることのできないひきこもりの青年(幸山守)、将来に希望をもてず睡眠薬で寝る為に生きている過労サラリーマン(冨)、革命家になることを夢みる貧乏なコンビニ店員(さくら)。しかし、彼や彼女らは、決して現実世界で交わることはない。観客が日毎に増え続ける「PEEP “TV” SHOW」は、更に過激になり生中継の動画配信が始められる。猫をビニール袋に入れて虐待したり、長谷川自身が出張風俗嬢に虐待される中継映像を見た萌は、激しく心を揺さぶられ、渋谷駅前交差点に直接、長谷川に会いに出かける。萌と長谷川は、互いにどこかで共感し合い、共犯者となって二人で盗撮を始める。デパートの女子トイレを、痴話喧嘩が繰り広げられる同棲カップルの部屋を、二人は実感のない世界への復讐のように、そして自らのリアリティを奪還するかのように盗撮を繰り返していき、やがて、2002年9月11日をむかえる。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
土屋豊
脚本
土屋豊
撮影
二宮正樹
美術
江田剛士
編集
土屋豊
助監督
江田剛士
その他
雨宮処凛
大友良英
LOSALIOS
ザマッドカプセルマーケッツ
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