隣人13号

劇場公開日:

解説

人気漫画家・井上三太の初期の傑作『隣人13号』を、LOVE PSYCHEDELICO、元ちとせや韻シストなどのPVを手掛けた俊英・井上靖雄が映像化。主人公・十三には、若手演技派・小栗旬。十三の分身“13号”を、「いぬのえいが」の中村獅童が恐怖の顔面メイクを施して演じる。エンディング・テーマを兄弟ギターデュオ・平川地一丁目が担当した。

2004年製作/115分/日本
配給:メディア・スーツ
劇場公開日:2005年4月2日

ストーリー

かつていじめられっ子だった村崎十三(小栗旬)。小学生の頃、十三はいつもクラスメイトの赤井トールに苛められていた。ある日の午後、赤井は仲間に十三を床に押さえつけさせ、顔の上で硫酸のビンのフタを開けた。もがく十三の脚が赤井を蹴る。そのはずみで、赤井の手のビンから硫酸がこぼれ、十三の顔が焼けるジュッという音。上がる悲鳴、赤井と仲間たちはそのまま逃げる…。10年後、2階建ての中古アパート、平和荘の13号室に引っ越してきた十三。その真上の23号にも、ちょうど引っ越してきたばかりの一家の姿がある。それは、成長した赤井(新井浩文)の家族だった。高校時代を通して暴走族“犬”のヘッドとしてあらゆる悪事を働いてきた赤井だが、結婚して大工として働き始め、今では幼い息子もいる。だが十三は、今でも赤井へ復讐する機会をずっと狙ってきた。その日々が、十三の中に別人格を生み出していた…。自らを“13号”と呼ぶその分身“13号”に導かれた十三は、赤井の勤める建築会社に新人として入る。職場で赤井は、同僚の関(石井智也)が会社を辞めるかどうかで毎日賭けをしており、彼をずっといじめている。関は新入りの十三に親切にするが、それが気に食わない赤井は事故に見せかけて十三の脚を角材で殴りつける。痛みに我慢できず十三はトイレに駆け込んで泣くが、赤井はトイレのドアを外から押さえつける。ドアを開けようともがく十三。その必死の状態の中、追いつめられた十三は、“13号”(中村獅童)に変わってしまう。“13号”はもの凄い力でドアに蹴りをいれ、赤井が吹っ飛ぶ。出てきた時は十三の姿だが、赤井と関は “13号”の姿を一瞬見るのだった。その日、早退した十三の部屋に、赤井の妻・のぞみ(吉村由美)が引越しの挨拶にきた。息子の勇気とのぞみが買い物に出かけた隙に、十三は“13号”に変わって赤井の部屋に堂々と忍び込む。部屋の中を物色した挙句、盗聴器をこっそりと仕掛けていく…。夕刻、十三を心配して関が訪ねてくる。話をしているうちに打ち解けた十三は、関に、自分が子供の頃、赤井に苛められていたこと、その復讐をしようとしているという「秘密」を告げる。そして、自分の中に“13号”という別人格が存在することも…。関が帰った後、十三は昔の思い出がフラッシュバックして“13号”に変わり、ひとり叫ぶ。隣の部屋の男、金田(三池崇史)が「うるさいよ!」と怒鳴り込むと、“13号”は金田の部屋に押し入り台所包丁でメッタ刺しにする。翌朝、関は赤井に十三のことを話そうとするが、赤井は無視。昼休み、十三が関のところへくる。「君はいいやつだなあ…」“13号”は、バールで関を殴り殺す。死体は建築現場の床下に隠される。夜、のぞみが実家からのみかんのおすそわけに、再び十三の部屋にやってくる。十三はお返しに、旦那と映画のチケットを2枚のぞみに渡す。「僕が勇気くんを預かりますから」。翌日、のぞみは勇気を十三にあずけ、赤井とふたりで映画に出かける。だが十三の意識は、その頃ほとんど“13号”の邪悪さに乗っ取られようとしていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0アクション弱すぎ

2024年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

アクションがなよなよしてて弱すぎ。
もっとがっちりと欲しかったかな。

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khapphom

3.5前の方の

2024年6月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

レビューで内容が把握できた。

その視点で見ると悪くなく、メッセージ性のある映画だと分かる。

がしかし、自分だけの観ただけの感想は、今一意味が分からなかった。

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REpower

4.0これってホラーですよね?

2024年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

狼男の型 つまり犯人は実は私だったという型で、これが誰にでも見えるリアルにすることでホラー要素の強い作品になっている。
ミステリーに特化すると誰が犯人なのかに焦点が絞られるが、ホラーにすることで作り手がその背後にあるメッセージ性を表現しやすくなる。
この作品はホラーとミステリーを合わせたようなものになっている。
作品では少々わかりにくいが、主人公の村崎十二がいじめられたのがきっかけで卒業写真撮影に間に合わず一人だけ欠席者のように丸の中に写真が入れられた事実が、村崎の回想の中で彼の小さな一矢をいじめっ子赤井にぶつけたことで、彼はみんなと一緒に卒業写真に載る世界を作ることになる。
過去と現在は同居するというパラレルワールド的観点で描いている点が、救いとなっている。
つまり、今現在を変えることで過去の認識が変わるという真理を、過去そのものを変えるという風に描いている。
冒頭自分自身が作った心の闇の中に幽閉されていた主人公は、それを怒りに変えて作り出したもう一人の自分によってあたかも救い出されるようなシーンがあるが、あれは救い出されたのではなく、その怒りの人物に「私」という主導権を明け渡したのだろう。
村崎はアパートに引っ越してくるが、それは自分が作り出した陰によって周到に準備されていたと考える。
つまりとうとうその時がやってきて、村崎の別人格の方が主導権を持っていることでいつでも別人格になれる。だからあのアパートへ引っ越し、続けて赤井一家も引っ越してきた。
すべてが影の計算だった。
やがて子供を預かるが、殺すことも可能だったし実際実行しそうになる。影がなぜそうしなかったのかは不明だが、何故か小学校で赤井を待ち伏せている。
村崎が影に主導権を奪われていながらも、彼は回想の中で当時の赤井を花瓶で殴る。
そして目の前の現実では、赤井は影に当時のことを謝罪する。
この瞬間影の怒りが大きく縮小した。
子供にまだ息があったのでおそらく助かるのだろう。
それにしても、
いじめられた方はこの作品のようにずっとずっと先までそのことを覚えているのだろう。
この作品はその視点で描かれている。
同時に「やり返す小さな勇気を持ちなさい」と伝えたいのだろう。
一矢報いたあの日の村崎は、工事中のあのアパートの13号室に不気味なものを見たことで、そこにはもう行かないと思ったことだろう。
つまり書き換えられた歴史では、村崎は影に「私」の主導権を渡さないし、その危機も向かえないことになる。
若干ややこしさがあるが、そこまで作りこまれた作品だ。
復讐は後になればなるほど恨みが膨れ上がって恐ろしいことになる。
いまいじめられているのであれば、小さな勇気で相手に一矢報いてみよう。
メッセージ性の強い作品だった。

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R41

3.0ラストがどうも。

2024年3月27日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 1件)
ビン棒