劇場公開日 2004年4月10日

バーバー吉野のレビュー・感想・評価

全11件を表示

3.5―PFFスカラシップから羽ばたいた才能たち―①の1

2023年9月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

『川っぺりのムコリッタ』との二本立て。
荻上直子監督と天野真弓プロデューサーのトークショー付き。

『かもめ食堂』で名を広めた荻上直子監督の、長編劇場デビュー作品であり、第13回PFFスカラシップ作品。
PFF (ぴあフィルムフェスティバル)スカラシップという制度があることを、この企画で知りました。
映画版スター誕生みたいですね。

トークによると、監督が最初に持ってきた作品はこれではなかったそうで、審査員達は全くの無反応だったそう。その中の1人だった天野真弓プロデューサーは、初めて観た荻上作品『星ノくん・夢ノくん 』(2001)がとても印象深かったので「なんか他に無いの?」と問いかけたところ、「実は、床屋のおばちゃんがいて、男の子達がみんな同じ髪型で…」と、なったら、審査員の顔がワッと上がって、「それいいじゃん!」と『バーバー吉野』が採用されたそうです。

*****

公開当時、かなり印象的なポスターで、面白そうと思いながら見逃していました。

子供たちがかわいいです。
ちょこちょこ性の芽生えというか、ちょいエロが挟まります。
男子は本当にこうなのか、監督がイメージする男子像がこうなだけなのか。
男子の意見が聞きたいところ。
絵に描いたようなエロ本を久しぶりに見ました。
よく学校の帰り道に落ちてましたよね。
あれは、大人のイタズラですか?

もたいまさこさんはうますぎてホラーでした(笑)
この映画を通じて、村社会、慣習制度をバッサリとしたかったのかしら?監督自身、スタンドバイミーも大好きだそうですが、ぼくらの七日間戦争に通じる感じもしました。

トークショーによると、たった2週間で撮影したそうです(子供達を拘束できるのが春休みの間だけで、予算も少ないため)!

荻上監督はもともと写真専攻だったそうで、上手い人が多すぎるから映画にしよ、と渡米してしまったのだそう。
フットワーク軽い!
6年間アメリカで過ごしたことで、日本を客観的に見られる時間が出来たのは大きなことだったようです。

ピンクのタオルを干してるシーンとか、吉野刈りの少年達が聖歌隊衣装(床屋マント?)でハレルヤとか、お花畑を歩くシーンとか、色合いがかわいくて絵になります。

静岡の伊豆下田などで撮影したそうですが、最後のお祭りのシーンは雨が降って1日延期したものの、翌日も雨で、決行したそう。子供達は修学旅行状態で、夜興奮して寝ないから、撮影中に眠くなってしまったりもあったそう。そういう裏話を聞くと、また印象が変わってきますね。

あぁ〜もたいさん、タオルの扱いや、柿ピーの使い方も怖かったなぁ。
潔癖症ではないけどザワザワする(笑)

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osinco

3.5センスいいなぁ

2023年8月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

もたいまさこの感情溢れる演技、レアだな笑
確か一時期はやったなぁ、この髪型。何が流行るかわからない現代。ラストにオチみたいな感じでTV流れるけど、あながち間違っちゃいない。でもやはりこの町の吉野狩りの伝統は可笑しい。ある意味洗脳。それに意を唱える転校生、カッコ良すぎる笑
深く考えすぎなのか、町にいる変なおじさんと聖歌の関連性がよくわからず。

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いつこ

4.0ばかな

2023年7月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

大人の言うことなんか聞くんじゃないぞ。ケケおじさんは核心をつく。お前、お金がなくても、しあわせだろ、とも。昔のあたりまえ、も今考えるとおかしいことばかり。何か理由があった、のかもしれないけれど。大事なのは「見た目」ではないんだけれど。「みんな同じ」でいいのかな?色んな「新しい世界」との出会い、好奇心と戸惑い。「ぼくもホントはイヤだった!」その大合唱に「クソババア!」と叫んでいた息子が思わず涙してしまう素直さ。そこには、反抗しつつも根底の愛情が、親子で共にあった。伝統が伝説になる。時代の流れも人がつくる。でも店を手伝うようになったとうちゃんの髪型は、相変わらず、なのも、また愛情。あっぱれ、吉野ヶ里、遺跡。

波紋→川っぺり、からの監督めぐり、3作目。コメディタッチでありながら、何かを問いてくる。美しい風景と心地よい音楽。20年前から凄い人だった!

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she'lly

3.5吉野刈り

2023年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

悲しい

楽しい

この田舎では小学生の男子はみんな、バーバー吉野で頭を吉野刈りにするのが慣わしだった。
転校生が入ってきて反発するが、無駄な抵抗だった。
この散髪屋の息子がリーダーとなって、吉野刈り反対の狼煙を上げるが・・・。
日本を象徴する同調圧力をコメディタッチで描いた佳作だと思う。

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いやよセブン

4.0女性監督の描く男子思春期モノかも。

2023年7月10日
iPhoneアプリから投稿

農村地帯の 農閑期の花🌸は 最近 自治体の補助なども出るとあって 私の田舎でも見かけます。

綺麗です。

閉鎖的な田舎町
とは言っても現代の流動的なシステムでは不可能なので
童話?寓話? くらいのストーリーではある。

男の子たちが 転校生を受け入れて 彼と仲良くなっていくのが好感持てる。
吉野くんの家族とは対照的に 転校生一家は全然出て来ない。

たぶん お父さんはお母さんと離婚してて、お母さんと彼だけがこの町に来てるのだ。

映像美が素晴らしく
もたいまさこの床屋のタオルがピンク一色であるところやきちんと片づけられた道具 店内のそこかしこも気持ちが良い。

ここのところ グロテスクなのを立て続けに見てしまったので 評価甘めになったかもしれない。

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asica

2.5地方ルールは恐ろしい

2022年6月12日
iPhoneアプリから投稿

のっぺり具合のいい映画。

田舎の暗黙ルールは恐ろしいなと。

明るいビレッジ、ウィッカーマン

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ボタもち

3.5【”旧弊への細やかな小学生の抵抗” その町の少年は皆同じ蟹型だった・・、その名は”吉野刈り・・”と言われていた・・。】

2021年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

楽しい

知的

幸せ

ー 荻上直子監督作に初めて触れたのは「かもめ食堂」であった。
  当時、今でも在籍している世間的には一流企業として知られている会社の若手であった私は、月50H-100Hの残業をしていた。
仕事はとても面白かったが、残業代が100%支払われる事は無かった。
  今では、明らかに労働基準法違反であるが、当時はそれが当たり前だったのである。
  (ちなみに、今では完全なホワイト企業である。)
  で、仕事に疲れた時に出会ったのが、上記の「かもめ食堂」である。
  嵌った。
  DVDを購入し、定期的に観ていた。
  で、この監督の前作として、レンタルビデオ屋で借りて来たのが、今作である。ー

◆感想
 ・20年振りに鑑賞。
 当時は笑いながら観ていたが、今作は明らかに荻上直子監督が、
 ”旧弊を是とする文化はオカシイでしょう!”
 と言うメッセージを、コメディのオブラートに包んで描いている事が分かる。

 ・東京から転入してきた少年が、その土地の学校の同級生たちが皆、同じ髪型”吉野刈り”であることに疑問を持ち(そりゃ、そうだ!)自分は彼らと同じ髪型(文化)に染まらない様に抵抗する姿。
 そして、旧弊を”仕方がない”と諦めていた少年たちが、“オカシイ!”と気付いて行く姿を、荻上監督はコミカルに描いている。

<そして、今作が良いのは少年たちの意識の変化に対し、自らの信念を押し通す事無く、柔軟に対応する優しき”バーバー吉野”の女主(もたいまさこ)の姿である。
 荻上直子監督の長編デビュー作ながら、このレベルの高さ。
 「彼らが本気で編む時は」以来、新作を公開されていないが、気長に待っていますよ。>

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NOBU

2.0あの髪形は(笑)

2019年2月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

幸せ

狭い地域での青春ドラマと言うべきか。
大人に不満を持ちながら、何故かあの髪形の世界に巻き込まれている少年たち(笑)

散髪屋のもたいさんが奇妙な雰囲気を醸し出してインパクトがあるが、それだけではない佳作。

なぁ~んか観るものないなぁって時に、観てみてはいかが?

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うにたん♪(何観ても文句書きそうな気分)

3.0ビートルズのマシュマロカットなら?

2018年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ハレルヤコーラスをおかっぱで統一されると雰囲気があるなぁ。1軒しか床屋がない町って、人口は千人くらいなのでしょうか。もたいまさこが床屋さんなのもピッタリ。

 日本の『スタンド・バイ・ミー』などという評もあるようだけど、似ているのは秘密基地やちょっとした家出だけかもしれない。結局は親と子との比較。田舎町に代表される封建的な風習に対する反発は、子供たちがもっと純粋な気持ちを表現しなければ無理なのかもしれない。学校や親から教えられた通りのことを脱却できないでいるのは残念だ。全員が上杉真央を好きだと告白したことによって、周りの意見に同調してしまうという日本人の感覚も悲しい。

 女性監督、脚本ということは評価できるが、個性を大事にするという点で子どもにはこうあってほしいという願望が前面に出すぎているのかな・・・

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kossy

4.0なにより、この映画で一生モノの言葉と出会いました。

2016年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

舞台の小さな町の男の子はみなバーバー吉野でおかっぱにすることが習わしだった。
そこに茶髪の転校生がやってきて。
古い習慣に新しい習慣を切り込んでいく難しさ。
昭和は、こういう葛藤が各地で起こっていたんだろうなあ。
バーバー吉野の息子が髪型を変えるということは、お母さんに反抗しなければならないということ。
観ている側は分からず屋のお母さんが憎たらしくて仕方ないけど、主人公である床屋の息子が見せる家族愛に、心がほっこりとなります。
なにより、この映画で一生モノの言葉と出会いました。

「大人になるってどういうこと?」
「それはね、人に優しくなるっていうことだよ。」

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うえあおい

3.0ドキュメンタリー番組で見たアマゾン奥地の先住民の男たちが、みんなそろってこんな髪型をしていました

2013年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

総合:60点
ストーリー: 60
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 65

 悪い人ではないけれども、どこにでもこういう保守的な人というのはいるもので、頭が固まっていて合理的な考えができないものだ。自分は子供のころからそういうものに憤り反発してきたほうなので、この作品を滑稽だとはあまり思えないままに見ていた。隔絶された田舎の少年たちの自我の目覚めと成長の話でもあるのだが、わけのわからないことで自由を縛り管理しようとする旧体制がどうも見ていて気になっていらいらする。もたいまさこはいい演技だったが、主題が自分にとってほんのりとみられるものではなかった。

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Cape God