劇場公開日 2003年5月10日

ぷりてぃ・ウーマンのレビュー・感想・評価

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4.0昔のぷりてぃ・ウーマン?

2019年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

おばあちゃんたちのアマチュア劇団の話なのに「ぷりてぃ・ウーマン」って何?
静岡県藤枝市に実在する劇団ともしび(後に炎)の旗揚げ公演のお話、主宰の大石さき(映画では淡路恵子)さんは58歳(1975年)のころお年寄りを励ますために仲間とお芝居を始めました、驚くのは103歳で亡くなる(2019年没)まで850回を超える公演、日本最高齢の舞台女優でした。県からも数々の表彰、サントリー地域文化賞にも輝いています。劇は素人ですから学芸会レベルからのスタート、笑って泣ける家族愛をテーマにしたものから年寄詐欺やなんとチェ-ホフ、シェークスピアまで及びます。そんな大石さきさんの素晴らしい生き方こそ真の「ぷりてぃ・ウーマン」と呼べるのではないでしょうか。
そんな実話の物語に名女優達も燃えないわけがありませんね、正司照枝、イーデス・ハンソンさんは地のままかもしれませんが淡路恵子さんはじめ風見章子、 馬渕晴子、草村礼子、絵沢萠子さんはあえて芝居初心者の役を演じるのは難しかったことでしょうが素晴らしい。劇団員のほかにも脇を固める岸辺一徳、すまけい、佐藤允、風吹ジュンさんなど豪華出演陣、津川雅彦さんに加え出川哲朗、山田邦子、蛭子さんや山田隆夫、それに「金八先生」の名物おまわりさん(鈴木正幸)までチョイ役で出てきますので目が離せません。挫折した脚本家を演じた西田尚美さんは蒼々たる名優に交じって頑張っていたとは思いますが差は歴然、荒んだ心境描写なのでしょうかやたら煙草をふかし、タイアップのようにAsahiの缶ビールを飲む演出は時代遅れにしか見えなかったのは残念です。誰にも訪れる老いの問題、お芝居ではないにせよ生きがいを見つける大切さがじんわりと伝わってくる名作でした。

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odeonza