「日本アニメ最高傑作にして、私の人生ベスト2の作品!」映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲 はるさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0日本アニメ最高傑作にして、私の人生ベスト2の作品!

2018年8月13日
iPhoneアプリから投稿

評価:★★★★★ 100点
私は8歳の時に映画館でリアルタイム鑑賞しており、生涯ベスト2の作品です。

今作は‼︎!
アニメ映画では伝説を!!
クレヨンしんちゃん映画にはハードルを!!
あげてしまったことと思います。

断言出来ますが、日本映画でここまで子どもからお年寄りまで全ての世代を楽しませることの出来る作品は後にも先にもないと思います。
それだけの事を監督"原恵一"さんはやってのけたのです。
アニメ映画の枠を超えた邦画史上最高傑作です。

素晴らしい理由は3つ (※ネタバレあり)
① 家族の成長
しんちゃん映画の難題は、いかにしんちゃんという破天荒なキャラクターを成長させずに物語を構築するかです。よって、しんちゃん映画=笑い要素てんこ盛りのドタバタムービーとなることが多い中、今作はその成長という部分に父親のひろしと母親のみさえを持ってきたのです。現実に疲れた大人が童心に返ること。恐らく仕事、家庭をもつ大人全てが共感するであろうし、各世代によって捉え方が大きく変化し、深く愛され続ける作品となっています。

② 敵が過去の"懐かしさ"
2001年公開という20世紀から21世紀に移り変わった時代の節目の作品である為、物語が永遠に変わらない過去との対峙となります。
誰しも過去を振り返り「あの頃は良かったなぁ」と想うことがあると思います。
今作のターゲットを、しんちゃん映画を子どもと一緒に観に来た"親"とし、懐かしい過去とともに新たな世代と作る愛おしい未来へと突き進む物語としているのです。
その表現として、ラストシーンは未来ある子どもが階段を駆け上がり、大人が自らを犠牲にして下を支えるという演出。
なぜ大人が仕事をしなければいけないのか? なぜ子どもを育てなければならないのか? その全ての答えがこの映画には詰まっていると思います。

③ 音楽がもつ説得力
作中流れる名曲は「ひろしの回想」「21世紀を手に入れろ」の2つです。
全てのシーンが愛おしいですが、その中でも「ひろしの回想」が流れるシーンは人々の心に深く刻まれたことでしょう。
子どもに戻ってしまった父親を子どもが迎えにいく。
そして、どこか懐かしい哀愁漂うメロディとともに、1人の男性の物語を3分で描き、平凡な家庭がいかに素晴らしいものか、明るく迎えてくれる家族の素晴らしさを回想してくれるです。
「とうちゃん、オラがわかる?」
「ああ・・・・・・ああ」
と自分の記憶から消していた命より大切な我が子を抱きしめる父親の涙に。私はただ、ただ、号泣でした。

ここまで読んで、しんちゃん映画としては逸脱してないか? 子どもが楽しめるか?と思う人も多いと思いますが、
今作はしんちゃん映画としても100点です。
かすかべ防衛隊が登場する映画はだいたい面白いというジンクスがありますが、はい。そうです。最高です。
アニメ映画だからこそ出来る事を最大限にやり尽くしています。
しんちゃん達の個性を生かしたバスを運転するシーンなんかは、もろにクレヨンしんちゃん映画の真骨頂です。

よって一本の映画としても、しんちゃん映画としても満点の作品なので、まだ鑑賞してないという方は、ぜひ子どもが産まれる前に、そして働く前に観て欲しい作品です。

最上級にオススメでーーーす。

はる