夜の蝶

劇場公開日:

解説

銀座の酒場に生きる女たちの激しい執念とペーソスを描いた“中央公論”所載の川口松太郎の小説を映画化した文芸篇。「流れる」の共同脚色者の一人、田中澄江が脚色し「大阪物語」の吉村公三郎が監督した。撮影は「朱雀門」の宮川一夫。主演は、「源氏物語 浮舟」の山本富士子、「地獄花」の京マチ子、「永すぎた春」の船越英二、「湖水物語」の近藤美恵子、八潮悠子、「曙荘の殺人」の川上康子。ほかに山村聡、小沢栄太郎、穂高のり子、芥川比呂志など。

1957年製作/90分/日本
劇場公開日:1957年7月28日

ストーリー

銀座の一流バー、フランソワのマダム・マリは派手で明るい性格の女。政治家や人気作家ともつきあい、経営ぶりもうまい。その銀座へ、京都の舞妓上りのおきくが新たにバーを開業することになった。おきくは各酒場に挨拶廻りするが、その中にはマリの妹分けいのバーもあった。おきくは、けいの恋人で女給周旋業の秀二に現ナマ五万円を積み、女給の周旋を依頼、マリの陣営の一角を切り崩す。マリも負けじと対抗、この戦は夜の銀座の話題となる。マリとおきくの因縁は古く、かつて大阪で結婚したマリの夫が京都に囲った女がおきくだったのである。おきくはマリの夫の死後、京都にバーを出し、一方、若い医学生原田に学費をみついで、将来の結婚を夢みている。かくて二人のマダムは鎬をけずり合っていたが、ここに関西のデパート社長白沢が東京に進出すべく、腹心の木崎を参謀格に登場、マリ・おきくの戦いはますます白熱化することになった。というのは、マリは白沢に岡惚れだったが、白沢は実はおきくのパトロンで、彼女の銀座進出に骨折り、正式の結婚さえ望んでいた。おきくの本心は原田との結婚にあったが、原田は同僚の女性浅井と結ばれて、おきくの申出は断わられた。一方、白沢の東京進出は木崎の裏切によって敗れたが、そのことを知ったマリは積極的に白沢に近づき、二人は白沢の別荘へ泊まるべく夜の京浜国道を車を駆った。二人のことを聞いたおきくは、白沢にいいたい事があるといって、自ら車を運転、二人のあとを追ったが、途中で車がぶつかり合い、マリ・おきくはあっけなく死んでしまった。--

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0最後が。。。ビックリ

2021年2月25日
iPhoneアプリから投稿

黒川の手帳を思わせる様な。

昔の銀座の街並みが、とても興味深く

それにしても山本富士子さんの綺麗な事☆彡

あっという間に、終わりました。

大満足(≧∇≦)

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花丸

3.5裏でゴチャゴチャやってるのは相変わらずおじさん

2021年2月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

萌える

おそめ姉さん、待ってました!ずいぶん前に、ノンフィクションの『おそめ』を読んでから待ち望んでいた映画でした。その本はとても面白くていろんな人に貸したからか、家にない!ショックだったけど仕方ない。本というのは、大体貸すとそういう運命を辿る。

京マチ子がてっきりおそめ(おきく)をやるのだと思っていた。でも、二人の色柄を考えると、おきくは山本富士子、京マチ子がマリというのはいいキャスティングだと思った。

映画は川口松太郎原作を元にしているから、ノンフィクションの石井妙子著『おそめ』と非常に異なる。小説とノンフィクションだから異なって当然だけれど、川口版=この映画では、二人の女を面白可笑しく戦わせているだけで何だか浅かった。石井ノンフィクションでは、二人はライバルであるけど互いを一番よく分かり合っていた関係だった印象があるし、おそめに焦点を当てていてかなり読み応えがあった。東映のヤクザ映画関連(プロデューサー、その娘が今の音羽屋の奥様であるとか)の話、白洲次郎などなど錚々たる人々が出てくる。

カメラが素晴らしい!さすが宮川一夫!そして男性俳優陣が綺羅星のごとくで、若く美しく素敵だった。船越英二(息子よりずっと美しく知的)はバイオリニストの夢を学徒出陣による怪我であきらめ、作曲家(現代音楽)を目指して銀座に染まらないように自分を律しながら、銀座のバーで働く女の子斡旋をし、芥川比呂志は原爆の後遺症の為に研究する若き医学者。1950年代初頭はまだ戦争が終わっていない。この二人の若くて美しいインテリが映画を締めていた。

当時の銀座は料亭政治の流れを汲んで全盛を極めている。知識人、政治家、大企業社長がうじゃうじゃ。バーでゴチャゴチャやってる、やってる。その頃から70年たって何も変わってないね、日本。当時は日本の人口8千万人(今のドイツと同じ)とナレーションで言ってた。それ位がちょうどいいような気がする。

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talisman
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