劇場公開日 1964年1月15日

「【”女ですもの、私だって・・。”戦後の復興していく町の小さな酒屋で起こった事。品の良い、切ないメロドラマ。】」乱れる NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”女ですもの、私だって・・。”戦後の復興していく町の小さな酒屋で起こった事。品の良い、切ないメロドラマ。】

2021年3月9日
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悲しい

知的

難しい

ー 今作の脚本は、松山善三氏である。今作製作時には、ヒロインを演じた高峰秀子さんとは結婚されている。 ー

 ◆お二人は、日本のみならず、世界を共に旅行されており共著で「旅は道づれシリーズ」を出されているが、如何に仲が良い夫婦であったのかが、良く分かる。今作品でも、高峰さんは、夫が書き下ろした脚本と、成瀬巳喜男監督に、全幅の信頼を寄せて、演技したのであろう・・。-

■感想
 ・戦後の復興していく町の小さな酒屋が今作の舞台であるが、当時、進出してきた”マーケット”に対しての小売店の経営状況や、それまで店に関わっていなかった酒屋の娘達が、マーケットにする話を聞きつけて、独りで店を切り盛りしてきた、戦死した長男の嫁礼子(高峰秀子)を、何だかんだ言って、店から追い出そうとする姿。
 そして、礼子がそれに憤慨することなく、潔く身を引こうとする姿。
 だが、正義感ある、酒屋の二男(加山雄三)が、礼子への想いを吐露し、彼女を見送ると言って、同じ汽車に乗って・・。

 ・礼子は、義理の弟からの思いがけない告白に、心乱れ・・。二人で途中下車・・。

<現代であれば、ここら辺からドロドロとした話になって行く感じがするが、流石、成瀬巳喜男監督と、松山善三氏はそのようにはせずに、”より深いドラマ”に仕立て上げている作品である。>

NOBU