劇場公開日 1988年1月15日

「お金に執着する日本人の醜さを風刺する伊丹十三監督の映画手腕」マルサの女2 Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5お金に執着する日本人の醜さを風刺する伊丹十三監督の映画手腕

2020年7月28日
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鑑賞方法:映画館

伊丹十三監督が手堅く各個性派俳優を駆使して、新興宗教と地上げ屋の内情に切り込み興味深く、また大胆に描いた会心の社会派娯楽映画。第一作の面白さには及ばないものの、お金に執着した日本人の醜い姿を客観視する冷静さと、それを皮肉り同情する作家としての立場で、映画としてのひとつの使命を果たしている。映画監督伊丹十三の一連の創作は、これまで何のケチも付けられない。役者では、三國連太郎が役柄になり切っての凄みが本物で、存在感が流石に立派。やくざの上田耕一とチンピラ役の不破万作が、いいキャラクターを出していて、とても好感持てた。
  1988年 1月19日  宇都宮東宝

Gustav