劇場公開日 1975年11月8日

「悶々」祭りの準備 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5悶々

2022年8月27日
iPhoneアプリから投稿

そりゃこんな環境にいてたらそうなるだろう。陰陽の境目なく性が日常に混じる。セクハラが成立しえない世界。あのおばさんが、この爺がと歯止めがかからない。この母と一緒にいたらと恐れ慄くのも当然。
既視感があって、浜村純が覆いかぶさってきた時に確信したのだが、見たならテレビな訳でよくこれを放送できたなと思う。そのシーンもそうだが、主人公の話よりも群像劇として残る。これぞ兄弟と兄嫁を共有する原田芳雄と受け入れる杉本美樹、兄に身体を洗われ街を徘徊する桂木梨江、インテリ風に誘われ盛りがついて夜這いを始める竹下景子、親父を預かる真山知子の髪洗う色香、馬渕晴子に三行半を突きつけられて、親父を引きとるよう頼まれた絵沢萠子の悪くなさ加減。
女優陣の妖艶さが際立つ。竹下景子の清純さと色気の両面性はその後の彼女のイメージにも共通している。

Kj