劇場公開日 1981年6月6日

「長い暗闇からの大火炎スペクタクル」魔界転生(1981) yostakkazさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5長い暗闇からの大火炎スペクタクル

2022年3月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

 学生の時に封切で観た以上の興奮度です。40年以上も前の映画なのに、なぜかあまり古臭さを感じないのは、私だけでしょうか。今の映画にないものがあるからでょうか。
 まず、次々登場する俳優陣が素晴らしいです。今、魔界転生をやるとして、充てる俳優を想像するに悩みます。
 特に、若山富三郎があんなに殺陣がうまいとは知りませんでした。代役でなく本人が演じているので、感動ものです。佳那晃子は、細川ガラシャにのめりこんでいますし、大好きな千葉真一と緒方拳は、私の期待を裏切りません。天草四郎を人気絶頂のジュリーがやりますが、この当時、ほかにイメージに合う人が思い当たらず、まさに適役です。
 ほぼ全編、暗闇の場面が多く、昼間でも暗い印象になっています。屋内も、ロウソクの灯、囲炉裏やふいごの炎で、余計な強い明かりはありません。ですが、深作監督の演出がうまいのでしょうか、そんな暗い画が続いても、話のテンポが良いので、ダレることなく快調です。
 その暗闇に慣れた目に、ラストは大火炎のスペクタクルが待っています。四方が猛炎に包まれる中での、何十人もの大殺陣は全く素晴らしく、映画的興奮の絶頂に達します。ぜひ、今の映画で味わう機会が少なくなった世界を観て頂きたいです。

コメントする
yostakkaz